あの人が、指示しても動かない「本当の理由」 「一緒にやる」のひと手間が、成果につながる
CAのチーフパーサーの制服には金色の「チーフパーサーバッジ」、グランドスタッフインストラクターの制服には銀色の「インストラクターバッジ」や金色の「エクセレント・インストラクター・バッジ」をつけるルールがあります。このバッジには、
(2)お客様に対して「この人は有資格者です」と示すことで安心感を与える
(3)本人に対して「あなたが手本です」と自覚させる
という、3つの目的があります。会社からの「あなたはみんなの見本ですよ、つねに見られていますよ」というメッセージでもあるのです。
たとえ誰も見ていなかったとしても、仕事を進めるときは、手本を示している意識をもつこと。あなたが「これくらいでいいか」と思ってやったことは、後輩も「これくらいでいいか」とまねするはずです。
仕事の指示を出すときは「指名」する
プロジェクトメンバーとの打ち合わせで活発にアイデアを出し合い、「あれをやろう」「これをやろう」と盛り上がったのに、1カ月経って気づいてみたら、誰も、何も進めていなかった。あるいはチームのメンバーたちに任せたつもりだったのに、「私がやるとは聞いていません」と言われて愕然とした……。こんな経験はないでしょうか?
こうした事態が発生する原因の9割は、「その仕事を誰がやるのか」が決まっていないことにあります。
空港のチェックインカウンターで働くグランドスタッフは、通常の「お客様対応業務」(航空券の販売、チェックイン、手荷物預かりなど)と並行して、事務作業などの「裏方業務」も行っています。たとえば当日の人員配置・調整、当日の売上集計業務、レポート作成、翌日以降の出発便の予約状況の確認やお客様対応の準備などです。
空港センター旅客サービスチームで全空港の国内線グランドスタッフのインストラクターを務める平池愉美子は、こうした「サブ業務」ほど、任せるときに、
・誰が(担当者)
・いつまでに(期限)
・どこまでやるか(範囲)
をしっかり決めることが重要だと言います。