ようやく成果が見えてきたのが、建屋内に流入する地下水の削減対策だ。
汚染水は、溶け落ちた核燃料に地下水が触れることで増え続けてきた。原発事故以来、東電は汚染水の処理や保管に悩まされ続けてきた。敷地内は汚染水をためたタンクで埋め尽くされつつある。地下水の流入を減らすことができれば汚染水の発生抑制につながるだけに、実効性のある対策が模索されてきた。
地下水流入抑制対策の切り札と目されてきたのが、凍土方式の「陸側遮水壁」だ。
原子炉建屋周辺の1.5キロメートルを囲って配管を巡らせ、零下30度の冷却材を循環させる仕組みだ。配管は建屋を取り囲む水平の管およびそこから地下30メートルまで垂直に延びる配管で構成されている。垂直の配管の間隔は約1メートル。その周辺の土を凍らせて壁を作る。凍土壁はトンネル工事などでしばしば利用される工法だが、福島第一での規模はこれまでにも例がない。
今回の取材では、敷地の高台にある冷凍機プラント電気室を取材した。冷却は順調に行われており、地中の温度はほとんどの地点で零度以下を表示している。
この記事は有料会員限定です
残り 2895文字
