廃炉作業の最難関、「デブリ」は取り出せるか ロボット投入阻む内部状況、高線量も障壁
原子炉の炉心から溶け落ちた燃料(燃料デブリ)の取り出しは、東京電力ホールディングス・福島第一原子力発電所事故の廃炉作業の中でも最も困難とされている。その第一歩となる、ロボットによる原子炉格納容器内の調査が近く始まる。
東電の廃炉作業の行程を定めた「中長期ロードマップ」では2017年夏頃に、各号機ごとのデブリ取り出し方針を決めるとされている。それだけに今回実施される1、2号機の調査でどこまで有益な情報が得られるかが鍵を握る。その難関を乗り越えることなしに、2021年からとされているデブリの取り出しはできない。
台座の内側を初めて映し出す
東電は1月に入り、福島第一原発2号機に、長さ10.5メートル、直径11センチメートルのさお状の「ガイドパイプ」を、作業に用いられる貫通口から格納容器内部に投入。その先端に付けたカメラを動かすことで、さらにその先にある「ペデスタル」と呼ばれる原子炉圧力容器を支えている台座の内側の状態が初めて映像として映し出された。
圧力容器の下部からしたたり落ちる水滴は、圧力容器そのものに亀裂がある事実を物語っている。格納容器内の作業エリアの床の一部が抜け落ちている一方、残った部分ではこんもりとした堆積物が見つかった。
「グレーチング」と呼ばれる格子状の床の脱落や、大きくくぼんでいたりしている映像からは、燃料デブリが落下して鉄製のグレーチングを溶かして格納容器の底に落下した可能性をうかがわせる。
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