「覚えているだけで、相手は銀行員、国立大学の教授、会社社長、歯医者さんとかかな。フツーのサラリーマンもいたけど覚えてないな。ナンパされることが多かったけど、グループのボス的な女のコからの紹介も多かった。彼女は、実家が練馬区あたりのすごいお金持ちだったけど、今はどうしているのか不明です」
当時、援助交際の相手との連絡はポケベルで行っていた。加奈子さんが使っていたマンボウ型のポケベルに、カタカナで待ち合わせ場所が表示された。渋谷は人が多いので、日比谷公園や上野公園で待ち合わせすることが多かったという。加奈子さんが最初の援助交際で買ったものは、フランスのハイブランドの家紋柄の財布。
「ウチはフツーのサラリーマン家庭だったから、絶対に買ってもらえなかった。あのときは、“みんなが持っているモノ”が欲しかったんですよね」
当時は、制服のままでも入れるラブホテルが多く、エッチしておカネをもらって、バイバイする……というのが一連の流れだった。
「高校3年生のときにPHSを買ったんですけど、その頃は1回のエッチが2万円になっていました。みんながやるようになると価値が下がるんです。それと同時に、腕を縛られたり、変な薬をアソコに入れられたりして、怖い思いをしたこともありました。受験勉強をしなくちゃいけないことも重なって、つるんでいた仲間と距離を置くようになりました」
その後、加奈子さんは、短期大学に進学し、社員50人規模のメーカーに就職。21歳のときから交際している3歳年上の夫と25歳のときに結婚し、寿退社した。
「私は家事と子育てがストレスにならないので、そこそこ幸せだと思います。でも、5年くらい前から、夫の仕事が忙しくなって、子供の手がかからなくなったときに、“このままで終わるのはイヤだ”と思ったんです。かといって、ずっとレスな夫とエッチを再開する気持ちもない。お兄ちゃんはもうわかっているから、家ではエッチできません。女としての喜びを再び味わうことなく、このまま終わってしまう“焦り”がありました」
手段に選んだのは「出会い系アプリ」
でも子どものサッカーのコーチや、男友達など、知り合いとエッチをしてしまっては、夫にバレてしまい、家庭崩壊の危険もある。そこで、加奈子さんが選んだのは出会い系のアプリだ。
「出会い系サイトやアプリのいいところは、相手のことを条件で選べること。私はステータスを“既婚”にしているので、人妻狙いの人からメッセージが入ります。お互い後腐れがないことを求めているんですよ。何回かやり取りをして、“この人はいい”と思った人と会っています」
とはいえ、加奈子さんは小学生の子どもがいる。夜に会うのは困難なのではないか……という質問をしたところ、彼らと会うのは平日の朝から夕方にかけてだという。これは意外だった。不倫は夜行うのではなく、早朝からスタートするのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら