都会に住む既婚女性の不倫事情を取材し続けている。結婚して、仕事もして、子育てもしているのに、夫以外の男性との逢瀬を楽しんでいる女性は、想像以上に多い。
2006年ごろにコラムニストの深澤真紀さんが使い始めたとされる“草食男子”という言葉は、恋愛や人生に積極的な女性を指す“肉食女子”とともにあっという間に一般名詞になった。アメリカのテレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」(1998~2004年)も社会現象になり、従来の日本の女性観だった、男の支配下で欲望を抑え自己犠牲を重ねることがいい女である、という常識を粉砕した。
とはいえ、何百年も続いてきた常識が根絶することはない。独身時代は肉食女子でいられても、結婚して夫と生活を同じくすれば、そうではなくなる。子どもを産み、夫やその家族から旧来の常識を押し付けられ、その理不尽さに苦しむ人も少なくない。その結婚の不平等条約ともいえる、積もり積もった鬱積が爆発すると離婚に至る。厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2016年における日本国内の離婚件数(推計)は21万7000件で、約3件に1件以上が離婚していることになるという。
一時期、離婚を本気で考えたけれど、自分自身が不倫したことがきっかけで、踏みとどまったという女性も多い。
夫は育児に積極的だが……
「共働きなのに、保育園の送り迎えは私、飲み会で遅くなって文句を言われるのは私、義母(専業主婦)から“息子が稼いでいるんだから、あなたは働かなくてもいいんじゃない? 子どもがかわいそう”と言われるのは私。夫は育児を積極的にしているほうだと思います。でも、“女は家にいて、家事と育児をしてこそ幸せ”という意識が会話の根底にあります。だから全然、話がかみ合わないんですよ。夫は仕事のグチを私に言うけれど、私が夫にそれを言おうものなら“辞めれば? 生活できるんだし”とバッサリ。夫婦ゲンカする気力もなくなり、離婚かもと思ったときに、大学の同級生に言い寄られエッチしたことで、すべてはチャラになった感じがしたんですよね」(38歳・メーカー勤務・年収550万円・娘9歳)
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