「有給休暇を取得しやすい」300社ランキング ホンダ6年連続1位!取れない会社との違いは

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ここまで日本で有給休暇の取得が進まない理由は何か。先に紹介したエクスペディアの「有給休暇・国際比較調査2016」によると、有給休暇の取得に罪悪感のある人の割合が日本人は59%と高く(アメリカ33%、フランス22%、イタリア19%)、その理由として「人手不足」「職場の同僚が休んでいない」となっている。こうしたことから、自分の休みよりも職場の空気を読むことが重要視されているのではないかと分析している。

日本人のDNAを考えると自主性には任せられない

周囲の空気を読み自分だけが突出することを避けるという行動、これは「和」を重んじる日本人の持つDNAだけに、各人の自主性に任せて達成させるということはかなり難しい。それが有給休暇取得率がいっこうに上がっていかない大きな理由の1つとみてよいだろう。したがって、これまで紹介してきた上位企業の事例からも、会社全体で有給休暇の取得のための対策を講じることが有効だ。

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制度面でも、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、計画的な取得予定がない場合、5日分は毎年時季を指定して与えなければならないとする改正労働基準法案が国会に提出されている。有給休暇取得が大企業以上に進まない中小企業を念頭に置いていると考えられるが、ただ、ここまでのところ審議は行われていないため、今後どうなるかは未定だ。

有給休暇の取得を促す本来の目的は、すべての人がそれぞれのライフステージに応じた仕事と生活のバランスを実現させるためであり、多様なライフスタイルを実現できるしくみ・社会を形成することにある。それが半ば強制的にというのでは、なんだかちょっと哀しい。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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