――素晴らしいですね。「SLフェスタ」にはステージゲストとして毎年呼んでいただいておりますが、いつも沿線で取れたお茶の提供や名産の販売があって、とてもいいなと思います。地元との協力体制を積み重ねていらっしゃる大井川鐵道さんならではですね。
お客様の期待値を超えるサービスを提供して、また来たくなるような雰囲気をつくるのがわれわれの仕事だと思っています。
ただ、われわれが行うサービスも大事ですが、実はSLに乗った方が一番感動する車窓風景は、地域の方々が列車に手を振ってくれる光景なんですよ。そういった地域のおもてなしが、実はお客様にとって非常に価値があるんですね。今は、そういう行動をどんどんやっていきましょう、と改めて地域の方々にご説明して、賛同して下さる方々が増えてきている、という状況です。
リピーター獲得へ地元と協力
――大井川鐵道の再建支援に乗り出した時、地元の方々は「北海道のホテルである『エクリプス日高』がなぜ」と驚いたのではと思います。地元の方の理解はどのようにして得られたのでしょうか。
最初、何回かに分けて地元の方々への説明会を開きました。質問で多かったのは「増便するのか」といったことでしたね。ただ、都会のように多くの電車が走っていることを望まれていたとしても、それが会社として永続できるような収益につながるかというと無理です。ですので、まずは自分たちのやれることをやると説明させていただきました。
そして、観光で来られたお客様へのおもてなしを、地域の方々も一緒にやりましょうといったお願いをさせていただきました。観光事業に対してわれわれは投資活動もし、地域の方々でおもてなしをして、もう1回地域に足を運んでいただきましょうと。
そうしたところ、大井川鐵道もなんとか踏ん張っているんだったら、私たちも頑張ろうという声をいただきまして、今では月に1回、地域住民の方々と無人駅や沿線の花植活動など、定期的に景観整備をしています。大井川鐵道に対する見方というのは、かなり変わってきているのではないかと思います。
――そういった、おもてなしに向けた地域への声掛けを積極的に行って、実際にお客様から「感動した」という声が戻ってきているわけですね。
われわれのサービスだけでなく「地域のおもてなしって、こんなことがあるんです」という部分を伝える手段も非常に重要と思っていまして、情報発信ではSNSを多く活用しています。それに対するお客様の直接的な声などを非常に重要視しております。
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