「禁煙違反者30万円過料案」は当然の政策だ

すでに50カ国近くで禁煙を法制化している

改正案では飲食店における喫煙室、喫煙場所の提供は禁止されていない。もし喫煙者を優遇したい飲食店経営者がいるならば、屋外あるいは基準に合致した快適な屋内喫煙室を設け、受動喫煙問題をクリアしたうえで営業を行えばよい。あるいは、経済合理性があるならば、規制対象外となる延床面積30平方メートル以下の小規模なバーなどが飲食店街の中に増加するなど、別の業態が現れる可能性もあるだろう。

もっとも、今回の改正案で屋内禁煙が一斉に始まる一方、飲食店における喫煙室・喫煙場の整備が遅れる可能性も高い。その結果、店舗の外に出て路上喫煙をする者が急増する可能性もある。条例により路上喫煙の禁止がされている地域でトラブルとなる可能性があるほか、飲食店前に喫煙者が集中してしまうなど別の問題が起きるかもしれない。

臭いものに蓋をしても問題は解決しない

米国カリフォルニア州では建物の入り口から20フィート以内での喫煙が禁じられているが、同様のルール整備とともに、屋内から追い出されてしまう喫煙者の受け皿についても考慮すべきだろう。臭いものに蓋をしても問題は解決しない。言うまでもないことだが、喫煙者を屋内から追い出したところで、その存在を消すことができるわけではない。

「受動喫煙による健康被害防止」という観点で作られている健康増進法改正案だが、2020年の東京オリンピックを見据え、社会全体で「喫煙」をどう位置づけるかを考えていく必要もある。”ゼロ”にすることはできない喫煙者を屋内から追い出すだけでなく、それによって街がどう変化するかという点にも配慮しなければならない。

飲食店内の喫煙を禁止したことで、繁華街の歩道にタバコのニオイと煙があふれてくれば、街全体の景観や雰囲気作りという面ではマイナスに作用する。屋内禁煙に関しては顧客だけでなく、店内で働く従業員の健康被害防止という観点からも進める必要があるだろうが、さらに一歩進んで喫煙者があふれた先までを考えて、2020年に向けた街作りを考えていく必要があるだろう。

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