品薄の加熱式たばこ「アイコス」、100万人移行 「従来型たばこは停止」とPM日本社長が強調
[東京 2日 ロイター] - フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)<PM.N>は2日、品薄が続いている加熱式新型たばこ「iQOS(アイコス)」のデバイスについて、今年半ばにはフル供給できる体制になるとの見通しを示した。
フィリップモリスジャパン(PMJ)のポール・ライリー社長が会見で明らかにした。ポール・ライリー社長は「状況は改善している。昨年の11―12月に比べて2―3月の供給台数は2倍以上に増やしているし、今後も増やしていく。ただ、現在でも、供給するとすぐに売れてしまう状況にある」と述べた。そのうえで「今年半ばごろには完全にフルで供給できる体制になる。できるだけ需要に応えていける体制を作って行きたい」とした。
「アイコス」のデバイスは、日本国内で販売台数が300万台を超え、完全に移行したユーザーは約100万人に達したという。
「アイコス」は、たばこの葉を燃やさずに電気で加熱する製品。アイコスのような「たばこベイパー(蒸気)」と呼ばれるカテゴリーは、減少傾向が続く紙巻きたばこに代わって成長が見込める分野として、注目されている。
JT<2914.T>は、福岡市で販売している「プルームテック」を今年6月から東京で販売する。また、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)<BATS.L>も「glo(グロー)」の販売を仙台で開始した。
PMIは3日、加熱ブレードの改良や充電時間の約20%短縮などアップグレードしたデバイスを発売。また、3月中旬から、ヒートスティックの新フレーバー2種も「iQOSストア」で販売を開始する。
JTの小泉光臣社長は2月の決算発表時に、日本のたばこ販売に占めるたばこベイパー製品の割合が、今年末には15%程度に達すると予想。ポール・ライリー社長も「2020年までには最低でも50%まで伸びていてほしい。これについて疑いは持っていない」と述べた。そのうえで「最終的には従来型のたばこの販売を停止したい」との考え方を繰り返し強調した。
政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙防止の強化策について議論している。こうした動きについて、PMJの井上哲副社長は「受動喫煙に対して対策を取ることは必要であり、重要」との認識を示した。そのうえで、加熱式たばこの取り扱いについては「加熱式たばこは、従来の紙巻きたばことは製品の特長や性質、健康への影響が大きく異なる。従来の紙巻きたばことは違ったルールを是非検討して欲しい」と述べた。
(清水律子)
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