VW、BMWも参戦、それでも遠いEVの隆盛 市販モデルの価格を初公表、年内に販売開始
ドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)とBMWが、それぞれ初めて一般市販化を予定している電気自動車(EV)の価格を相次いで発表した。いずれも年内に現地で発売され、2014年には全世界へ展開される。
VW「e-up!」は約350万円、BMW「i3」は約455万円
フォルクスワーゲンのEVは「e-up!」(=タイトル下写真=)。独現地価格2万6900ユーロ(約350万円)で発売する。e-up!は、同社の主力コンパクトカー「up!」をベースにした。4ドアのハッチバックスタイルで、モーター出力は60キロワット(82馬力)。容量18.7キロワット時のリチウムイオン電池を搭載し、最大航続距離は160キロメートルとなっている。急速充電器を使えば30分で80%まで充電できる。
一方、BMWは、「BMW i3」を11月から、独現地価格3万4950ユーロ(約455万円)で販売を開始する。「i」シリーズは、BMWがEV向けに新たに設定したブランドで、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)使った車体など先端技術を採用、現在、コンパクトカーのi3とスポーツカーの「i8」が発表されている。i3はe-up!より一回り大きな車体で、モーター出力も125キロワット(170馬力)、リチウムイオン電池の容量も22キロワット時と大きい。航続距離は130~160キロメートルで、エコ走行モードを使うと最大200キロメートルになる。充電時間はe-up!と同様だ。
なお、i3には発電用の小型ガソリンエンジンを搭載して航続距離を伸ばしたレンジエクステンダー式のハイブリッド車もラインナップされ、こちらの航続距離は300キロメートルとなっている。
ドイツの有力自動車メーカーが量産車の投入に乗り出すことで、これでようやくEVの普及に弾みがつくかと期待もかかるが、今回、2社から明らかにされた価格からすると、まだEVはニッチ分野の域は脱せそうにない。e-up!の価格はベースのガソリン車のおよそ2倍、i3も同クラスの車体からすれば高い。しかも、EVのボトルネックである航続距離も160キロメートル程度とかなり短く、充電時間も長い。
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