不倫夫と別れた専業主婦が直面する「貧困」 子どもは小さい、手に職はない

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「義父が6年前に都内に家を買って、それから“東京にいるから夕飯いらない”とか“大阪に出張”みたいなことが増えた。最初はそうかと思っていたけど、朝帰りが続いた。それまで出張なんてなかったのに、急にそんな感じになった。たまに香水のにおいがするとか、口紅がついていたとか。そんなことが増えて、疑って問いただすと“探偵でもなんでもつけろ!”みたいな恫喝。そこまで言うんだったらと、信用するしかなかった」

朝帰りは外泊になり、最終的には毎週のように金、土、日、月を出張と言って家を空けるようになった。3年前、社長である義父が孫の顔を見に来たとき、出張について尋ねた。会社の業務で出張は一度もないことを聞き、浮気が発覚した。

「浮気がバレてからいっさい帰ってこなくなった。2度、旦那がうちに戻って話し合った。旦那はひたすら離婚したい、離婚したいって。私はどうして?って、やり直そうよって何度も言ったけど、もう“別れたい、別れたい”の一点張り。最後の最後、2度目に戻って来たとき“実は子どもがいる。もう2歳”って。浮気したのは3年前、2歳の子どもがいた。妊娠期間含めたらすぐに子どもを作ったってことですよ。ちょっと、どうですか?」

渡邊さんの口調はエキサイトする。離婚が成立して3年間が経っても、到底、納得がいっていないようだ。

「言われて、びっくりしましたよ。えっ!って大声を上げた。そんな状態じゃ、もう、しょうがないじゃないですか。“じゃあ、私たち家族より、そっちの不倫女のほうを選ぶってこと?”って聞いたけど、“そうだね”だって。もういいやって。浮気相手の女は当時20歳ぐらい、今23歳じゃないですか。元旦那は当時、40代後半です」

4年前に浮気が発覚してから、元旦那が戻ってきたのはたった2度。3年前に離婚が成立してから、携帯はつながらなくなって電話の1本すらなくなった。渡邊さんと2人の子どもは、完全に捨てられた。

浮気するまでは、まじめな人だった

「浮気するまでは、まじめな普通の人だった。会社のため、社員のため、家族のために仕事していると思っていたのに。不倫して若い女と子どもを作って、二重生活していたなんて。まさかと思いました。当時は現実として理解することに精いっぱいだったし、今も正直信じられない。子どもたちには、まだ本当の理由は伝えていない。“何でパパ帰ってこないの?”って、今でも言う。特に上の子は執着心がすごくて、“パパはどうしたの? パパはどうしたの?”って。それで、またイライラして下の子にあたる」

上の子の異変が始まったのは小学校5年のとき。元旦那が帰ってこなくなった時期と重なる。年の離れた弟へのイジメ、学校での対人トラブルが絶えなくなった。

「上の子は本当にパパっ子だった。元旦那がいたときは怒られるのがこわいから、ブレーキが利いた。いなくなったら、もう好き放題。元旦那はたまにしか帰らなくても、言うこと聞かないと、もう髪の毛ガーッと持って引きずったり。怒る理由は下の子をしつこくイジメるから。嫌がらせばかり。5歳以上離れているのに、自分の機嫌が悪いと本当に徹底的にやる」

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