結局、「速読で勉強」は本当にできる事なのか

速読・記憶術の実践家と試験のプロが対面

鬼頭資格試験でも同じことが言えて、このプラス姿勢がない人はなかなか厳しいなと思います。たとえば、民法は民法、刑法は刑法と割り切って考えてしまう人。実は刑法と民法はつながっているのに、それに気づかずに字面だけで学習を進めてしまうので、理解が雪だるま式に膨らんでいかないんですよね。

宇都出本当にそう思いますね。たとえば過去問は解けるのに、少しひねられた形で出題されると解けなくなる。それは結局暗記であり、理解ではない。「何をこの問題は問いたいのか」という問いを持って、必要な知識を押さえていれば、対応できるはずです。

また、一番陥りやすい勉強の勘違いが、「勉強した気になる」ということです。文章をすらすら読めると、人間は理解したつもりになってしまいます。話を聞くときも同じです。たとえば予備校の授業を3時間受けただけで「勉強した!」という気になります。でも模擬試験や本番では問題が解けなくて、落ち込んで、また勉強を始めて同じパターンを繰り返すということになりがちです。

こういったパターンに陥らないためにも、私は今「4つのゼロ秒」を提唱しています。

鬼頭4つのゼロ秒?

宇都出はい。まずは試験では解く速さも重要になってくるので、すぐに解答できる状態を目指して目標を設定する「ゼロ秒解答」。次にKTK法と重複するんですが、わからないところで止まらずに飛ばし読みで進めていく「ゼロ秒読解」。3番目は、その場ですぐに思い出すことによる「ゼロ秒試験」。最後は、思い立ったらすぐ勉強する「ゼロ秒勉強」です。

鬼頭思い立ったらすぐ勉強って大事ですね。勉強はモチベーションを保つのが大変な面もあるので。

モチベーション維持には、「頑張らない」ことが重要だ

宇都出モチベーションを保つうえで重要なのは「頑張らない」こと。意志力って筋肉と同じで限られた資源なので、最初に頑張ると次で頑張れなくなったりするんですよ。とにかく頑張らずに、いかに仕組みに落とし込んでいくのかがポイントです。

鬼頭資格試験でも、最初の1カ月くらい頑張れて、徐々にモチベーションが落ちていく受験生はたくさんいますね。

宇都出そういう方は、「勉強時間がない」と言い訳するのではなく、思った瞬間に勉強ができる仕組みづくりが必要です。たとえば、つねに持ち歩くためにテキスト薄くをするとか、目次だけを束ねたものを持ち歩くとか。究極的には歩きながら自分が学習したことを思い出すとか。こうすると「時間がない」なんて言い訳はもう通用しません。無駄を排除する、トヨタ式です。

鬼頭トヨタ式勉強法ですね(笑)。

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宇都出勉強していると、どうしてもわからないところが出てきます。その時、ほとんどの人は止まって考えようとします。これがワナです。考えているのか休んでいるのか、もはやわからない時間も出てきます。なので、とりあえず止まらず繰り返す中で考えていくのです。

ゆとりが大事だと考える方もいらっしゃるかと思いますが、私は勉強に限らず仕事でもシビアに効率を求めていった結果、クリエーティブになっていくと感じています。職人さんとか、無駄な動きがまったくない。

鬼頭バーテンダーとかバリスタも、所作にこだわりはあるのに無駄な動きはないですよね。

宇都出そう、だから考えていると思われがちな止まっている時間を減らしていければ、最も効率よく勉強ができるんじゃないかというのが私の理論です。仕組みに落とし込んでいかに良い循環にまわすか、結局そこがいちばん重要です。

「2割の努力で8割の成果」をあげてきた鬼頭政人・資格スクエア代表が勉強法を説き明かしていくこの連載。著者への勉強相談はこちらのフォームから!

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