筆者は意識高い系の学生も合説に参加し、自分が進もうとしている業界や企業について再確認してほしいし、まったく意識しなかった企業との出会いを経験してほしいと思う。
合説は企業にとっても真剣勝負の場。優秀な学生を多数採用することが採用担当者のサラリーマンとしての評価となる。採用がうまくいかなければ採用担当者の社内での立場がなくなってしまうのだ。
各企業の会社説明のプレゼンは動画も使用されていて、とてもわかりやすい。最近は働き方改革が話題なので、福利厚生などについても、懇切丁寧に説明してくれる。自分で資料を読み込むのはなかなか骨が折れるし、わからない用語をいちいち調べなくてはならない。合説で会社のプレゼンを聞くのはとても効率がいいのだ。
帰宅した後にやるべきことは、集めてきた資料の整理整頓と1日の振り返り。合説に行っただけで満足してはならない。資料を見ながら合説を振り返って今後の就活について検討しよう。
また、合説の日の夜に企業から個別企業説明会の案内や、フルエントリーの要請のメールが来ることも予測できる。企業は採用意欲が強いので、合説で接触のあった学生を囲い込んでしまいたいと考えるもの。
企業の素早い行動にあおられて、本命企業と接触する時間が足りなくなっては本末転倒だ。合説でプレゼンを聞いたものの、興味が湧かなかった企業は、その後無視するしかない。時間とエネルギーは本命企業にとっておこう。
会場の外の「就活塾」に気をつけろ
それでは最後に、合説会場の周辺で注意すべきことについて触れておく。合説会場の最寄り駅から会場までの道中には、就活生をターゲットにしたセールスマンが立っていて、盛んにパンフレットを配ったり、アンケートを申し込んだりしている。アンケートとはいっても実体はセールスだ。
この中でいちばん気をつけなくてはならないのが「就活塾」のアンケートである。就活塾という言葉を聞いたことのない人もいるかもしれないが、就活塾、または就活予備校と呼ばれる団体が、学生に就活の仕方を有料で指導している。
学習塾が学生に勉強を教えるのと同様に、就活塾は学生に面接の受け方、エントリーシート(ES)の書き方を教えているものの、問題のある就活塾もあり、就活の妨げになることが珍しくない。授業料が高いのに、役立つ指導がなされていないところも、少なくない。
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