世界初!韓国「協同組合メディア」の挑戦 出資は1人3000円以下、全く新しいネットメディアが登場
とはいえ、韓国では「ネイバー」をはじめとするポータルサイトが優勢で「ニュースは無料」として誰でも読める。韓国経済も不況が続く中、特にネットメディアへの広告収入を当てにするのも難しい。プレシアンは究極の選択を迫られた。
苦渋の判断が迫られた時、一つの選択肢が浮かんだ。2012年12月に韓国で施行された「協同組合基本法」がそれだ。2013年2月に退任した李明博(イ・ミョンバク)前大統領の置きみやげ、とも言われているこの法律が施行され、韓国は現在、協同組合の設立ブームに湧いている。
賛同者として5人以上集まれば、ほぼあらゆる形態の協同組合が設立可能という法律の存在が、プレシアンを「協同組合」への転換という方向に背中を押した。
「協同組合法」の施行が後押し
プレシアンの報道に意義を感じる人から資金面で協力してもらう一方で、ニュースを“消費”する読者(消費者)が満足できるような報道を目指す。そこれそ、プレシアンが目指す報道ではないだろうかとの結論に至ったという。さらに、「政治的・経済的志向が強い既存メディアは、読者である消費者の存在を無視した報道を行っている側面もある。そんな報道から疎外されている人たちの受け皿としても機能でき、市井の人たちに目配りが効いた本来の報道ができるのではないかと考えた」と田洪局長は説明する。
それは、協同組合という形態が広告主の意向からも影響を受けにくい組織であること。さらに、株式の多寡による所有と経営から「1人1票」の原則に基づいた所有と経営になることで、組織に携わる誰にとっても報道形態の平等と自由度が増すという協同組合が持つ性格が最適、という判断もあったようだ。
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