世界初!韓国「協同組合メディア」の挑戦 出資は1人3000円以下、全く新しいネットメディアが登場

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さらに、読者である組合員と直接交流・協力できる点や、一度決めたら情熱的な活動をする韓国人の性格、多様ではない韓国のメディア環境という「韓国らしい状況」も、協同組合設立を後押ししたようだ。

当面の目標は、2013年中に1万人の組合員を集めることだ。現在、すでに出資金・組合費を納入した者が1000人以上、組合員となるための申請書を受理した数は4000人だという。1万人以上の組合員による出資金が集まっても、経営上の余裕につながるわけでは決してないが、一定の財政上の下支えがあることは非常に心強いこと、と朴理事長は説明する。

出資金の財政的下支えが、記者の活動を広げる

一方で、協同組合員への門戸を広げることで、特定団体や個人が加入しメディアの本質を阻害し、望むような報道ができなくなる可能性も出てくる。これに対しては、「組合員からの脱退は自由だが、加入には審査があり、加入を拒否することもできる。門戸は広く開けているが、加入者の見極めはきちんと行う」(田洪局長)。

プレシアンにとっては「第2の創刊」(朴代表)とも言える、協同組合としての出発。協同組合ブームに沸く韓国では、多種多様な協同組合が設立・運営され始めた一方で、問題も少なくはない。「協同組合形態のメディアであるだけに、他の協同組合に関するニュースも豊富に伝えていきたい」と田洪局長は意欲を見せる。

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