世界初!韓国「協同組合メディア」の挑戦 出資は1人3000円以下、全く新しいネットメディアが登場

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日本には、生活協同組合や大学生協、漁協、農協といった個別の協同組合を設立するための法律はあるが、韓国が施行したようなあらゆる業態での設立を可能とする「基本法」はない。

日本の協同組合関係者は今回のプレシアンの選択を、「協同組合の三位一体の考え方を活かした意欲的な判断だ」と評価する。すなわち、「(組合員が)出資し、利用し、参加する」形であり、「出資者と経営者(管理者)、利用者(または労働者)の三者が一致」できるようなメディアになろうとしているためだ。協同組合手法によるメディアの誕生は、世界中の協同組合においても意義があるという。

協同組合は、協同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的・社会的・文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々に自治的な組織、と定義づけられている。

「協同組合」の利点を生かしたメディアに発展も

プレシアンの今後の活動は以下の点で大きな可能性を秘めている。すなわち、自発的で開かれた組合員制をベースにした、組合員による民主的な管理の下で組合員の参加を広げようとしている点、またメディアとしての特性を発揮しながら組合員である市民に対する教育、訓練、広報の役割・機能を果たしながら韓国社会やコミュニティへの関与を広げられる、といった点だ。こうしたプレシアンのようなメディアは、日本でも今後、誕生するかもしれない。

現在、中央メディアの影響力が強い韓国では、そのアンチテーゼとして地方でメディアの協同組合が設立されている。インターネットの登場でメディアの将来に対する不透明さが増す中、韓国から生まれた壮大なる挑戦は、今後も注目に値するだろう。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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