「アメリカ第一」は、親ナチスの常套句だった

トランプ就任で歴史改変小説の悪夢が現実に

メラニア夫人(左)とともに大統領就任ランチに臨むトランプ氏。1月20日撮影 (写真:ロイター/Yuri Gripas)

ドナルド・トランプ米大統領の就任当日、筆者は作家のフィリップ・ロス氏に会った。それは非常にシュールな体験だった。2004年に出版された同氏の歴史改変小説『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが…』が、米国でまさに現実となった悪夢を正確に描いていたからだ。

ロス氏はトランプ氏の就任当日、ほかの多くの米国人同様、テレビの中で赤ん坊のような人物がちっぽけな拳を突き上げて空騒ぎする姿に呆然としていた。

ロス氏が気になったのは、トランプ政権のヒロイン、すなわち新ファーストレディのメラニア・トランプさんだった。彼女は就任式で奇妙なほど目立たなかった。来るべき破局を予見して平静さを装っていたのか、それとも熱心な若者からダンスを求められても、あえて応じなかっただけだったのだろうか。

小説のような現実が進行中

世界は今や新たな「小説」のただ中にある。私はロス氏とこの悲劇的かつコミカルなストーリーについて語り、トランプ体制の下品さにどうすれば対抗できるかを話し合った。

対抗者となりうる第1の勢力は、あらゆる都市で抗議活動を行っている主権者である。彼らは総得票数では大統領選挙で自分たちが勝ったと主張し続けている。

第2の勢力は共和党員の一部だ。彼らはポピュリストであるトランプ氏と、同氏が政権獲得の踏み台にした共和党とが死に物狂いの戦いを繰り広げていると実感している。

次ページそして「第3の敵」は?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 令和の新教養
  • コロナショックの大波紋
  • 越湖信一のスーパーカー列伝
  • コロナショック、企業の針路
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
老舗「レナウン」が経営破綻<br>アパレル淘汰・再編の序章

名門アパレルのレナウンが民事再生の手続きに入りました。親会社「山東如意」が再建に見切りをつけ、新たなスポンサー探しは難航が予想されます。ほかのアパレルも店舗閉鎖や売り場撤退が予定され、百貨店に多大な影響が出そうです。