「消費増税再延期」がデフレ退治の必須条件だ

政府のブレーンがノーベル賞学者に従うワケ

金融政策の限界論を提唱し、注目されている米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授。1月30日、都内で撮影(ロイター/Toru Hanai)

アベノミクスの生みの親、浜田宏一・内閣官房参与(米イェール大学名誉教授)が、消費税率引き上げを再延期すべきとの認識を示した。すべての食料品とエネルギーを除いた「コアコア」のインフレ率が現状の0.1%から上昇して1.5%水準で安定すれば、消費税率を年間1%ずつ引き上げても安心だが、それまでは据え置くべきとの主張だ。

消費税率は現行の8%から2019年10月に10%へと引き上げられる予定だ。安倍晋三首相はつねに浜田氏の主張を採用するわけではないが、今回は耳を傾けるべきだろう。

財政出動でデフレ退治を

浜田氏は、ノーベル賞経済学者、クリストファー・シムズ氏(米プリンストン大学教授)が提唱した「物価水準の財政理論」(FTPL)を、日本で実践すべきと主張している。

両氏は2月10日、米コロンビア大学で開かれたセミナーで講演し、財政刺激策を内需拡大だけでなく、デフレ退治にも活用できると主張した。こうした主張は安倍首相にとって、喜ばしいものだ。

経済学者の大半は、中央銀行が希望どおりの水準のインフレを創出できるという、故ミルトン・フリードマン氏の主張を信奉してきた。しかし日本銀行の黒田東彦総裁が2015年度のインフレ率2%目標達成に失敗したのを受けて、多くの学者が立場を変えた。

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