トランプ大統領が服用する「育毛剤」の効力 主治医「あれはすべて自毛だ」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、トランプの前立腺特異抗原(PSA)については、2015年12月の文書でも、昨年9月の文書でも、0.15とされている。これはかなり低い数値だ。このため泌尿器系の専門家からは、トランプは前立腺肥大または前立腺がんの治療を受けたに違いないとの見方が示された。

だが、今回のインタビューで、ボーンスティンはこうした見方をきっぱり否定。PSA値が低いのは育毛剤としてプロペシアを服用しているせいだと述べた。

1月の大統領就任式前、トランプはロシアに弱みを握られているとの未確認情報が流れた。そのなかにかなり不潔な情報が含まれていたことについて、トランプは「私は極度の潔癖症だ」として、情報は虚偽だと切り捨てた。これは本当なのか。

ボーンスティンは、その症状についてトランプと話したことはないとし、トランプが来る時もそうでない時も、「診療所は染み一つないほど清潔にしている」と断言。ただ、「トランプは(診察の後)いつも、診察台に敷いてあった紙を自分で捨てる」と語った。「それ以外は特に思い当たることはない」。

トランプはHIV(エイズウイルス)の検査も受けていると、ボーンスティンは断言する。米疾病管理予防センター(CDC)は、すべての成人にHIV検査を1度は受けることを推奨している。

69歳の主治医に立ち見席

もし自分がホワイトハウス付きの医師になったら、トランプの定期検診に認知症の心理テストを加えるだろうと、ボーンスティンは言う。トランプの父親フレッドは、80代のときアルツハイマー病を患っている。トランプに限らず高齢の政治家については、認知症テストを受けることを多くの専門家が推奨している。

ボーンスティンは、トランプの3人の妻と面識がある。最初の妻イバナと現在の妻メラニアは、ボーンスティンの診療所に通っていたという。

歴代の大統領を見ると、ロナルド・レーガンやジョージ・H・W・ブッシュ(父ブッシュ)は、自分の主治医をホワイトハウスに連れてきた。それ以外の大統領は、ホワイトハウス常勤の医師の世話になった。ボーンスティンは1カ月ほど前、トランプの秘書ローナ・グラフに、「私はホワイトハウス付きの医師になるべきだと思わないか」と漏らしている。

とはいえ、最近のワシントン訪問は楽しいものではなかったようだ。ボーンスティンはトランプの大統領就任式に招待されたが、指定された場所まで延々歩かされた挙げ句、そこは立ち見席だった。もともと背中と足に神経痛を持つというボーンスティンは、「背中の痛みと寒さで、誰の言葉も耳に入ってこなかった」と言う。「徹底的に惨めな気分だった」。

午後の祝賀会も、会場にはテーブルもイスもなし。ボーンスティンは他の来場者と会話を楽しむ気になれず、早々にホテルに退散したという。

(執筆:Lawrence K. Altman記者、翻訳:藤原朝子)

© 2017 New York Times News Service
 

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事