視聴スタイルとともに視聴率が変わり始めた

世帯視聴率だけではもうテレビを語れない!

これからテレビ業界に「起こるべき変化」とは(写真 :Yoshi / PIXTA)
視聴率にタイムシフトの概念が導入されたことは、従来のテレビのメディアとしてのあり方そのものを一変させるかもしれない。メディアコンサルタントが、「起こるべき変化」について多角的に論考する。

これまでの視聴率はなぜ通用しなくなったか?

当記事は『GALAC 3月号』(特集:生まれ変わる視聴率)からの転載記事です。上の雑誌画像をクリックするとブックウォーカーのサイトにジャンプします

本稿にGALAC編集部から与えられた最初のテーマは、なぜ今視聴率にタイムシフトの概念が導入されたのか、これまでの視聴率はどうして通用しなくなってきたのかを書くことだ。簡単にまとめてしまうと、「録画機の普及でタイムシフト視聴が増えてきたから」という、当たり前の回答になってしまう。それではあんまりなので、こういう答えにしようと思う。「テレビが分散型メディアに移行しつつあるから」。この七面倒な言い方を解きほぐすことで、なぜ新たな視聴データが必要なのかも因数分解できると思う。

「分散型メディア」とは何だろう。詳しく知りたい方は、ぜひ検索して調べてみてほしい。できるだけ簡単に説明すると、ツイッターやフェイスブック、ユーチューブなどさまざまな外部メディア上にもコンテンツを置き、どこで記事が読まれてもいい状態を作り出すことだ。

典型がBuzzFeed(バズフィード)というネットメディアで、日本にも進出している。自社サイトに人を集めるためにツイッターやフェイスブックを使っていたのを、それぞれのソーシャルメディア上で記事を読ませればマネタイズにつながる。そんな構造を作り上げたのだ。

テレビを、この「分散型メディア」に分類するのはいささか強引ではある。ただ、原理は同じだ。バズフィードは意図して分散型になったわけだが、テレビの場合はユーザーの側が自然にそういう視聴環境を組み立てていった。テレビ視聴は今まさに、分散化そして断片化が進んでいる。

分散化の典型が録画再生、いわゆるタイムシフト視聴だ。特にドラマやバラエティなど娯楽色の強い番組はその傾向が強い。テレビのビジネスモデルに現状では合わないが、ひとりの視聴者としては、これほど便利なスタイルもないと、テレビ局社員の諸兄も感じているだろう。

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