週60時間勤務は当然?「医者の不養生」の実態 こうやって不養生の医者が作られる

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

当直を辞めて、ようやく健康に

特に当直がなくなる勤務になると、皆、とたんに健康になったりします。いわゆる生活のリズムというものを、そこで初めて知るといった感じです。

多くの著作があり、テレビなどでもよく見かける乳腺外科の南雲先生も、外科でバリバリやっていた頃の写真を見ると、見るからに不健康そうですが、自分でクリニックを開業され食生活も気をつけるようになると、見違えるように若々しくなっていますよね(南雲先生はちょっと特殊かもしれませんが……)。

私もこれまで急性期病院の勤務医から、開業したり、ゆったりとした勤務に変更された医師を知っていますが、皆、おおよそ血色がよくなっているような気がします。いかに激務が不健康を作り出すかということがよくわかります。

このような状況を踏まえ、医師の不養生を改めて考えた場合、そのようにならざるをえない要素が非常に大きいということが、わかっていただけるのではないかと思います。

最近は予防医学という分野が注目されてきていることもあり、医師自身も病気になる前に自分で病気の予防をしようという方が増えています。また、若手医師は中年の医師よりも健康志向が高いですし、女性医師となると美容という要素を含めて、健康を考えている方が増えているような気がします。

今のところ、勤務医の職場環境がガラリと変わるということは難しいかもしれませんが、患者にとっても不健康な医師に診察されるより、健康な医師のほうがいいに決まっていますよね。

少なくとも患者である一般人にとっては、そのような献身的な医師の下で日本の医療が成り立っており、それこそ命を削りながら他人の健康を守っている医師の存在を忘れてはならないでしょう。

次のコラムでは、医師のキャリア教育についてお話しをしていきたいと思います。

中村 正志 医師専任キャリアコンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかむら まさし

 1971年生まれ。関西学院大学社会学部卒。株式会社船井総合研究所にて旅行業、人材ビジネス業、教育機関、医療機関などのマーケティング支援や経営戦略策定を行った後、㈱ニューハンプシャーMCの設立に参画する。

2005年に医師向けの人材紹介サービス事業を開始。「FOR YOU」の経営理念に基づき、医療機関と医師、双方がハッピーになるマッチングを心掛けている。これまで300人以上の医師のキャリア設計に携わり、転職やアルバイト先の紹介だけでなく、医学生や研修医向けの勉強会なども主宰。なお2005年から執筆している「医師のキャリアを考えるブログ」は、投稿数が1000を越え、ドクターの読者も多い。国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士


この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事