トランプ政権「影の大統領」バノンの影響力 ニューヨーク・タイムズ紙の社説より

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トランプはかなり前からバノン流の政治手法を取り入れていた。だが、イスラム教徒の入国禁止を命じた大統領令が先週末に笑い話のような大失態を招いたことからすれば、バノンがホワイトハウスを牛耳らせないようにするのが賢明だろう。

バノンは国土安全保障省への相談やNSCへの審議要請を抜きに、その大統領令を後押しした。しかし、行政が大きな混乱に見舞われ、司法からは違憲との判断を受け、国際社会の怒りも買った。そして大統領は大胆かつ決定力があるというよりも、単に無能なのだとみなされてしまった。

有事の際には有害極まりない

トランプは大統領候補だった当時は、バノン流の愛国主義を掲げることで賞賛され、非常に満足していた。しかし現在では、その愛国主義が米国の同盟国を遠ざけるとともに、大統領自身を傷つけている。

大統領には顧問を選ぶ権利がある。だが、トランプ政権が発足当初に起こしたけいれんは、戦略的思考ができ、国内政治がもたらす副次的効果に思いを致すことができる顧問を必要としている十分な証拠だと言える。

仮に明日、トランプが南シナ海問題やウクライナ問題で危機的状況に直面したとしよう。そういう時、彼は政権内の誰に頼るのだろう? 物事を台無しにしてしまう挑発者バノンなのか、あるいはジェームズ・マティス国防長官やダンフォードのように、もうちょっとは思慮深くて経験豊富な人々に結局は教えを乞うのだろうか?

(敬称略)

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