サロン・デュ・ショコラの一体何がスゴいのか

百貨店のチョコ催事が百貨店を「飛び出した」

サインに応じるショコラティエ

来場客は、会場入り口にたどり着くやいなや、真っ先にお目当てのショコラティエのブースへ走り込み、高級チョコレートボックスをゲット。ショコラティエにサインを求め、記念撮影を求める。未体験の方は驚くかもしれないが、会場では当たり前の光景だ。

毎年「サロン・デュ・ショコラ」を訪れるという30代の男性は、生き生きとした表情でこう話す。「会期が決まるとすぐ、会社に有給休暇を申請して参加します」。また、昨年初日の朝、女性に話を聞くと、「去年もですけど、朝6時から並びました。毎年ここで会う仲間もいます」と語る。自分チョコ(自己需要)がほとんどであることも驚きだ。

「完全な自分用としての高級ショコラへの顧客ニーズを顕在化させています」。三越伊勢丹でサロン・デュ・ショコラのバイヤーを務める秋山勇志さんは明かす。チョコレートという「物」ではなく、ショコラティエという「作り手」にフォーカスする。多くの来場客は、ファンとしてエキサイティングな「作り手の今」に触れる、体験のために来場しているのだ。

本場パリのサロン・デュ・ショコラ

日本の「サロン・デュ・ショコラ」のルーツは、1995年にパリでスタートした、同名の世界最大のチョコレート展示見本市。毎年10月に開催され、10万人以上の来場者が集まるこのイベントを、当時の伊勢丹の担当者が、ぜひとも日本に紹介したいと熱望した。

パリの見本市を、そのまま「イベント」としてでなく、日本人になじみのある「百貨店の催事」として持ち込んだ結果、独自の形に成長してきたのが、日本の「サロン・デュ・ショコラ」なのだ。

コミュニケーションの変化が動員数を上げる

「サロンド、ナントカという大きなチョコのイベントがあってすごいそうですね」「うちの社員がチョコをフェイスブックに投稿していました」

チョコレートのジャーナリストとして仕事をしている筆者が、30代後半~50代の男性からそんな声を度々かけられるようになったのは、昨年ごろからのこと。どこで知ったのかと尋ねると、「ネットやSNSで見掛けた」「奥さんが出掛けていった」というような答えが返ってくる。

公式ホームページより

それもそのはず、サロン・デュ・ショコラの広がりとネットは切っても切り離せない。「サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト」の立ち上げは、第12回目の2013年。翌2014年にはフジテレビのドラマ「失恋ショコラティエ」が大ヒットし、「ショコラティエ」というワードの検索数がアップ。公式サイトでは、ショコラティエの画像をクリックすると、豊富なチョコレート情報を得られる。

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