政府と日本銀行は、今年1月に共同声明を発表し、デフレからの早期脱却を目指して一体となって取り組むことを宣言した。デフレ脱却の具体的な目標は、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の上昇率を2%にすることだ。2012年度の実績はマイナス0.2%の下落だったので、現状と目標までの距離はかなり大きい。
日銀と民間エコノミストの見方が異なる
日本銀行が4月に発表した展望レポートでは、2013年度の上昇率が0.7%、2014年度は1.4%、2015年度が1.9%の上昇(いずれも消費税率変更の影響を除いたベース)という見通しだった。
一方、民間エコノミストを対象としたESPフォーキャスト調査(6月調査:日本経済研究センター)では、2015年度でも消費者物価上昇率は1.0%の予想にとどまっており、日本銀行と民間エコノミストの予想の差は大きい。同調査では、2年で2%の物価目標が達成できるかどうかを(特別調査)聞いているが、「できると思う人」はたった1名で、「できないと思う人」が33名、「どちらとも言えない」が6名だった。
もっとも、このところの物価の状況には変化の兆しも見える。前年比でマイナスが続いていた消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の上昇率は、5月はゼロとなって4月のマイナス0.4%からマイナス幅が一気に縮小し、デフレ脱却に近づいているようにも見える(図)。
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