それでもバーナンキがQE3を縮小する理由

HSBCチーフエコノミスト/ケビン・ローガン氏に聞く

FRB(米国連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長がQE3(毎月850億ドルの証券購入策)の年内縮小を表明し、金融市場のボラティリティが高まっている。金融緩和策からの出口戦略の見通しについて、HSBCの米国担当のチーフエコノミストであるケビン・ローガン氏に聞いた。
Kevin Logan HSBCの北米経済リサーチチームを統括。シティバンク、スイス銀行コーポレーションを経て、1996年~2009年までドレスナー・クラインオート・ベンソンのシニア・マーケット・エコノミスト。2010年5月からHSBC。金融政策の動向と金利の予測が専門。コーネル大学にて、経済学の博士号を取得。(撮影:尾形 文繁)  

――6月19日、FOMC(米国連邦公開市場委員会)後の記者会見でFRB(米国連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は「QE3(月850億ドルの証券購入策)の縮小を年内に開始し、来年半ばには停止するであろう」と表明しました。このことで長期金利は上昇し、株価は下がりました。

内容には私は驚かなかった。市場の反応が大きいことにむしろ驚いた。

過去2カ月ぐらいで、ヒントはたくさんあった。バーナンキ議長自身の声明や他の地区連銀総裁の発言に、今年の下期にはQE3のプログラムが縮小されると示唆されていた。FOMCの議事録を見ても明らかだった。また、議長は経済動向によって、決めるものであり、労働市場の改善は明らかであるとも述べている。今後数四半期でさらに景気改善が加速していくことが期待されるから、プログラムを縮小するということだ。

次ページバーナンキ議長は政策の変更を慎重に進める
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 日本資本主義の父 渋沢栄一とは何者か
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

東洋経済education×ICT