新興国から北米ブームへのプレリュード

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今年4月、英米系の格付け会社大手フィッチ・レーティングスが中国のソブリン格付けをAA-からA+へと格下げした。フィッチはその理由として、近年著しい信用の膨張、シャドー・バンキング拡大などを挙げた。

あくまでも個人的な話だが、筆者は格付け会社のソブリン格付けを余り信頼していない。企業の財務分析に比べ、歴史の短いマクロ分析は判断基準が曖昧で、深みもないように思えるからだ。だが、一方で、そのメッセージ性には注目し、重視してきた。

ソブリン格付けの変化が示す資金フローの転換

即ち、格付け大手による新興国の格上げは、金融機関や企業、個人の自信(コンフィデンス)を強めることを通じて、中国やブラジル、メキシコなどでのレバレッジ拡大(信用拡張)に寄与してきた。逆に、日本を始め、米国、英国、ユーロ圏諸国などの格下げは、リーマン危機以降にG20などの枠組みで明確になった、先進国における政策的なデレバレッジ(信用収縮)の方向性と一致してきた。

ところが、今回、フィッチは事実上、「中国のレバレッジ拡大が行きすぎた」との判断を表明したのである。格付け会社が新興国の格付け判断を引き下げる方針へ舵を切ったのであれば、過去5年続いた新興国でのレバレッジ拡大、先進国でのデレバレッジの流れが変わる兆候かもしれない。

奇しくも、今月10日、2011年に格付け史上初の米国債格下げを行った米格付け大手S&Pは、米国債の格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げると発表した。米国では、住宅部門の復調に象徴されるように、家計部門と金融機関のバランスシート調整が進展。景気拡大局面に入ろうとしている。

日本でも、アベノミクスは企業などの投資拡大を狙っている。7月からみずほ銀行は、メガバンクで初めてリバースモーゲージの取り扱いを始めると言う。持ち家を担保に老後資金を高齢者に融資することが目的だ。これには政府や金融庁からのレバレッジ拡大を求める声に答える意義もあるのではないか。もはや、先進国はデレバレッジムードにはない。

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