30代から成長したい人が持つべき「3つの鏡」 僕が「貞観政要」を座右の書にする理由
皇帝であっても、決して全能ではないことをわきまえた姿勢。欠点や過失を指摘されることを望み、喜んで聞き入れた姿勢。
『貞観政要』には、こうした太宗の姿勢が、臣下との問答形式でつづられています。
『貞観政要』の中で座右の銘にした部分は?
僕が初めて『貞観政要』の原文を読んだのは、30歳頃だったと思います。子どものころから歴史オタクでしたから、李世民が名君と呼ばれていることは知っていました。
1978年に出版された、『貞観政要 上 新釈漢文大系95』(原田種成・著 明治書院/下巻は1979年に刊行)を読み、そこに記された太宗と臣下たちの問答の中から、僕は、リーダーや組織がどうあるべきかを学びました。『貞観政要』には、ビジネスのすべてのエッセンスが描かれていたのです。そう述べても決して過言ではありません。
僕は、『貞観政要』で述べられている「三鏡(さんきょう)『銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡』」を座右の銘の1つにしています。
「三鏡」とは、リーダーは3つの鏡を持たなければいけない、という教えです。「三鏡」について記述されている下記の部分をまずは読んでみてください。
つまり、
・鏡に自分を映し、元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする(銅の鏡)
・過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ(歴史の鏡)
・部下の厳しい直言や諫言を受け入れる(人の鏡)
これらの3つの鏡、つまり、今の自分の表情(状況)、歴史、第三者の厳しい意見を知ることがリーダーには不可欠である、ということです。
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