よく「オンナコドモ」の話を聞くのは面倒くさいとか、「要件だけ言って」とか、心ここにあらずといった体で妻の話を聞く人がいます。または外の問題を持ち込んでいつも不機嫌だったり、短気でイライラしながら話したり、家庭内でも上下関係で話す癖の人がいます。こういう人ほど、自分の話は饒舌です。しまいには妻からは必要なことさえ話されなくなり、仮面夫婦の道へまっしぐらとなるのです。
真の意味で円満な夫婦は、そのどれも当てはまりません。女は男次第、男も女次第だといいますが、お互いの欠点を指摘したり補い合えるのも、日々会話がある夫婦だからこそ角が立たず、時を置かずできているようです。だから円満夫婦に人格者が多いのか、順番はその逆なのかは知りませんが。
心豊かに過ごす計画も相談も、うれしいことを倍にするのも悲しいことを支え合うのも、夫婦の濃密な会話があってこその話です。
逆境にこそ生きる家族の絆
家族のありがたさは、順調なときは空気のように、そのありがたさを忘れてしまいがちです。しかし、逆境時の人には、家族のありがたさが顕著に感じられることが多いです。
最近では北斗晶さんや市川海老蔵夫人の、家族で団結した闘病が話題になっています。麻央さんの「神様、もう一度、海老蔵という役者を支える立場に、私を戻してください」という短い祈りには、夫に対する尊敬や信頼、思いやりや感謝などすべてが込められており、思わず私も、彼女のために祈りました。
ずいぶん前の話ですが演奏会直後に脳梗塞で倒れたピアニストの舘野泉さんは、右半身がマヒしました。音楽に見放された失意の中でつらい日々を過ごしていましたが、その間のフィンランド人で歌手でもある夫人の、献身的な介護に感銘を受けたのも、鮮明に記憶しています。
ある日、その息子が「左手のためだけに作曲された楽譜」を見つけてきたのがきっかけで、彼は完全にピアニストとして復活を遂げました。この夫婦にしてこの息子ありと記憶したほど、家族から尊敬され愛される舘野氏ならではの復活劇でした。
これらわずかの例を見るまでもなく、家族にしかできないこと、家族だからこそできることが多いのです。結婚に良いイメージが持てないなどと、言わないでください。
最後に、最初に挙げました三つの秘訣さえ守れば、円満な家庭が築けるとは申しません。そしてその三つでさえ言うは易く相手のある話であり、いくら頑張っても、空回りか逆転ばかりするかもしれません。
しかしこれだけはいえます。困難のない人生など、探すほうが難しいのです。大きな苦労を何度も乗り越えて、今は円満という夫婦がほとんどなのです。努力をたくさんしてこられた夫婦だともいえます。
つまり人生の障害や困苦を恐れるよりは、それは避けられない以上、いかに力を合わせて苦難を共に克服できる価値観を共有する夫婦であるかが大切なのだと、特に若い人には、エールを送りたいと思います。ミメカタチは二の次ですよ!
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