ヨネックスが中国を攻略した「マーケの秘策」 バドミントン用品で攻勢、次はインド市場
スポーツ用品大手・ヨネックスが絶好調だ。
ヨネックスはバドミントン用品の世界最大手。2015年度の売り上げ構成比は、バドミントン用品が55.9%(前期比18.3%増)と過半を占める。テニス用品でも契約選手のスタン・ワウリンカ選手、アンジェリク・ケルバー選手が男女そろって全米オープンで優勝するなど、上り調子にある。
2016年11月には業績予想を上方修正、2016年度は売上高610億円(前期比12.6%増)、営業利益45億円(同37.2%増)、当期純利益28億円(同25.7%増)と、連続最高益を見込む。業績を引き上げたのはバドミントン用品。そして、最大の牽引役となっているのが中国だ。
「バドミントンのヨネックス」を猛アピール
中国は、バドミントンの競技人口が8000万人と世界最多の巨大市場だが、ナショナルチームのサポートをする「李寧(リーニン)」といった地場メーカーが力を持つ市場でもある。そんな中、ヨネックスはいかに中国で売り上げを拡大していったのか。
まず力を入れたのは、認知度向上のための広告宣伝活動だった。広告塔に起用したのは、リン・ダン(中国)、リー・チョンウェイ(マレーシア)など世界に名だたるトップ選手。雑誌やテレビなどの露出に加えて、空港や上海市の地下鉄駅などに巨大広告を打ち、「バドミントンブランドとしてのヨネックス」を猛アピールしていった。
並行して、有力なショップには、売り場に合わせた専用の商品陳列棚を提供するなど、小売店の販売支援にも取り組んだ。そのほか、中国などにはバドミントンをプレーできる「バドミントンセンター」と呼ばれる施設があるが、ここでも広告を打ち出したり、商品の試打会を開いた。加えて、中国3都市の会場でトップ選手を招いたジュニア向けのイベントを開催するなど、草の根活動も含めてヨネックスのアピールを重ねてきた。
一連のマーケティングについて、連下千歳常務は「従来、注力しきれなかった広告宣伝や、地域の大会協賛など、草の根の販促活動に積極的に投資している」と語る。
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