日本株は無理に急いで買う必要はない 今の円安は行き過ぎ、円高に振れる可能性

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為替は1ドル一時115円台に。日本株は円安が前提だけに注意が必要(写真:freeangle / PIXTA)

1月5日の日経平均株価は前日比73円安の1万9520円と反落、取引を終えた。だが年明けの日経平均は大幅高となり、前年末比479円高の1万9594円で終了。大発会としては4年ぶりの上昇であり、今年の堅調な株価推移を期待させる滑り出しになったといえる。

ダウ2万ドルは「長い目で見た通過点」の認識で

また4日のNYダウ平均株価も2日続伸となり、年明け2日間での上げ幅は180ドルに迫るなど、好調さを維持している。日米株価はそれぞれ2万円、2万ドルという節目を目前にしているが、市場関係者の中には「通過点でしかない」との威勢の良い声も聞かれる。

年初であることもあり、楽観的な見方が広がるのは大いに結構だ。長期的にみれば、これらの節目はいずれ超えていくのだろうが、このまま勢いよく超えていくのか、あるいは仮に達成をしたとしてもいったん調整して超えるのかには、大きな違いがある。

今の水準を買って保有し続けるのがよいのか、それとも押し目を待ってから買い、長期上昇に乗るのがよいのかの違いである。筆者は株価動向に悲観的であると見られているようであるが、決してそうでない。高値を買わないように気を付けるべきとのスタンスであり、押し目があれば積極的に買っていきたいと考えている。

長期上昇トレンドに乗るという観点では、やはり米国株がもっとも有望な投資先となろう。これはトランプ新政権に期待するという意味ではない。むしろ、新政権が米国のこれまでの持続的な成長を達成してきた基盤を壊さずに、さらに成長を加速させるような政策を打ち出せるかがポイントと考えている。

米国の成長の最大のポイントは人口増加であり、新しい産業やサービスを生み出すイノベーションの力である。この点については、トランプ氏は少なくとも大統領選では真逆の方針を示していたことはいうまでもない。「メキシコに壁を作り、不法移民の流入を止める」とする一方、「競争力を失った製造業で再び雇用を創出する」と説いて、ラストベルトと呼ばれる地域からの票の獲得に成功した。

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