日本株は無理に急いで買う必要はない 今の円安は行き過ぎ、円高に振れる可能性
難しいのが日本株である。日経平均株価は円安に支えられているわけだが、本欄で繰り返し指摘しているように、とにかくドル円の割高感が鮮明である。
筆者が行っている日米の実質金利差からみた試算では、ドル円の理論値は103円である。また、過去の理論値と実勢値のかい離は15円が最大であり、今回の水準に当てはめると118円となる。現時点において118円で上値が抑えられている動きは、過去のこのような実績に沿った動きである。
5日の東京市場では1ドル115円台に入った。
したがって、ドル円が上昇するには、理論値の上昇が必要になるわけだが、その可能性が低いこともすでに本欄で何度も解説した通りである。世界的にインフレ率が上昇し始めているが、特に原油価格の影響が大きくなっている。その傾向が強いのが米国だが、インフレ率が上昇することで実質金利が低下し、結果的にドル円の理論値はさらに下がりやすくなる。
日本株は日経平均1万7000円前後まで待つのも一法
ドル円の上値が重くなれば、日経平均株価の上値も一定水準で抑えられると考えるのが妥当であろう。現在のドル円の水準と株価との比較でみると、日経平均は割高と言わざるを得ないのだが、大幅に下げれば押し目買いが検討できる。
ドル円と日経平均の過去の関係から見た水準では、ドル円が105円で日経平均株価は1万7170円、ドル円の理論値である103円では1万6840円となる。このように考えると、最初の買い場は1万7000円前後が妥当ということになろう。今の水準に焦ってついていく必要はなく、また慌てる必要もない。
長期的には企業の収益力の向上により、多少の円高でも株価の下げは限定的になっていくだろう。したがって、円高が進む中で株価の調整が進めば、それを利用して買い下がっていけば、いずれ結果が出るだろう。
昨年の教訓として、材料やイベントに振り回されることが最悪の投資判断であることを再確認した。今年はこの点に注意しながら、長期的な視点を忘れずに対処することが肝要だ。一方で、前回の本欄でも指摘したように、これから楽しみなのがコモディティである。筆者は2020年までの投資対象について、コモディティを主軸に置いている。次回以降でこの点についてぜひ解説させていただきたい。
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