子泣きじじいが先導する「百鬼夜行図」
『百鬼夜行絵巻』に戻ると、こちらは水木しげる版の『百鬼夜行図』。子泣きじじいを先頭に、児啼爺、一反木綿、砂かけ婆、鬼太郎たちが行列している。水木しげるは昔の絵巻、版本(版木で刷った書物)、浮世絵などを資料にして妖怪を描いた。塗壁の後ろには、前ページの『百鬼夜行絵巻』の妖怪たちに似た姿も見える。
赤鬼になった、菅原道真
ここで時代をさかのぼり、鎌倉時代の妖怪を見てみよう。学問の神様の菅原道真が、なぜ天神として祭られるようになったのかを描いたものに『北野天神縁起』がある。『北野天神縁起 弘安本』は、その中でも古いもののひとつだ。
菅原道真は平安時代の学者で、右大臣に上り詰めたが、左大臣から中傷されて太宰府に左遷され、失意のうちに亡くなった。これは道真の怨霊が雷神となって、天皇や貴族のいる清涼殿に雷を落とす場面。雷神は赤鬼のような姿をしている。
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