これが菅原道真の怨霊!妖怪たちと涼む夏 怖いようで、愛らしい

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子泣きじじいが先導する「百鬼夜行図」

『ゲゲゲの鬼太郎百鬼夜行図』 水木しげる原画 昭和四十一年(1966年) 水木プロ所蔵 ©水木プロ

『百鬼夜行絵巻』に戻ると、こちらは水木しげる版の『百鬼夜行図』。子泣きじじいを先頭に、児啼爺、一反木綿、砂かけ婆、鬼太郎たちが行列している。水木しげるは昔の絵巻、版本(版木で刷った書物)、浮世絵などを資料にして妖怪を描いた。塗壁の後ろには、前ページの『百鬼夜行絵巻』の妖怪たちに似た姿も見える。

赤鬼になった、菅原道真

ここで時代をさかのぼり、鎌倉時代の妖怪を見てみよう。学問の神様の菅原道真が、なぜ天神として祭られるようになったのかを描いたものに『北野天神縁起』がある。『北野天神縁起 弘安本』は、その中でも古いもののひとつだ。

菅原道真は平安時代の学者で、右大臣に上り詰めたが、左大臣から中傷されて太宰府に左遷され、失意のうちに亡くなった。これは道真の怨霊が雷神となって、天皇や貴族のいる清涼殿に雷を落とす場面。雷神は赤鬼のような姿をしている。

重要文化財『北野天神縁起 弘安本』 鎌倉時代 東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives (8月4日まで展示)
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