中世の天狗の、意外な容姿
中世の天狗の姿がわかるのが、『是害房絵巻(ぜがいぼうえまき)』だ。天狗というと、鼻の長い赤い顔が思い浮かぶが、そのイメージはもっと後の時代のもの。絵巻では顔が猛禽類、体は人間になっている。
ストーリーはというと、日本の高僧を試そうと、中国の唐から是害房という天狗の親分が単身京都にやってくる。比叡山の僧と法力を競うが、さんざんに打ち負かされて体を壊してしまう。日本の天狗たちにたんかで運ばれ、賀茂川の河原で湯治し、元気を取り戻す。唐に帰ることにすると、日本の天狗たちが送別会を開いてくれた。
江戸時代の妖怪カード
今の子供と同様、江戸時代の子供にも妖怪や化け物は人気があったようだ。江戸時代後期には、子供向けの浮世絵が数多く作られた。『新板 化物づくし』は子供のための「おもちゃ絵」。眺めるだけでも楽しいが、トレーディングカードのように切り離して使ったり、本に仕立てたりして遊んだという。
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