ドイツから感じた、「日本型結婚式」の違和感 なぜキリスト教徒でないのに教会式なのか?
入学式や成人式など、人生の節目を祝うセレモニーはいくつかある。その中でも、特に夢にあふれているのが、「結婚式」ではないだろうか。結婚式で新婦が身にまとうウエディングドレスは、「女性のあこがれ」などと言われるし、結婚式の日を「幸せの絶頂」と言い表すこともある。
「結婚総合意識調査2016」(リクルートブライダル総研調べ)によると、日本の挙式実施率は67.0%、披露宴・披露パーティの実施率は58.7%で、半数以上の新婚夫婦が、公の場で結婚のセレモニーをしている。だが、日本の結婚式のあり方は、どうも首を傾げざるをえないことがある。今回は、日本の結婚式に関して、特に不思議だと思う「宗教意識」「費用」「形式」について、私が住んでいるドイツの結婚式事情と比較して考えてみたい。
日本とドイツの結婚式事情
まず、違和感を覚えるのが式の形式だ。結婚情報のポータルサイト「日本の結婚式」が行った「全国の独身男女の結婚式に関する意識調査2014」によれば、理想の挙式の形は、教会式が58.4%と圧倒的だ。続いて神前式が21.2%、 人前式が17.9%となっている。日本人の6割弱がクリスチャンということはありえないから、これは「宗教にかかわらず、チャペルで挙式したい」と考えている人が多いのだろう。
クリスチャンでもないのに、何に対して愛を約束するのだろう。結婚式の当日だけ、クリスチャンのように振る舞い、神父や牧師の下で神に永遠の愛を誓うのは、宗教意識が薄い日本人らしいやり方と言える。式場に併設されているチャペルは、宗教的意味はほとんどない。神聖なチャペルを「おしゃれな式場」として扱うのは、キリスト教に失礼ではないだろうか。
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