「バイオハザード」監督が語る完結までの14年 「これを観ると一作目を見直したくなる」

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僕は自分がハリウッドの監督だとは思っていなくて、インターナショナルなフィルムメーカーだと思っている。だから『バイオハザード』は日本をルーツとした物語であり、監督はイギリス人。主演はウクライナ出身の女優、という映画なんだ。しかも撮影場所は、1作目はベルリン、2作目はトロント、3作目はメキシコシティー、4、5作目はトロント、そして今回は南アフリカで撮っている。一応、北米が舞台の作品だけど、むしろアメリカ以外の目から見た、よりスタイリッシュなアメリカを国際的なキャストで撮っている映画なんだ。

妻でもあるミラを撮影するのは楽しい

Paul W.S. Anderson(ポール・W・S・アンダーソン)/1965年イギリス生まれ。1993年にジュード・ロウ主演の『ショッピング』で監督デビュー。その手腕を買われ、1995年に『モータル・コンバット』でハリウッドデビュー。さらにミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『バイオハザード』を監督し、世界的な大ヒットを記録した。その他の監督作として『エイリアンVSプレデター』『デス・レース』など(撮影:今井康一)

――今回はファイナルと銘打っていますが、シリーズを振り返ってみて、どんな感想を抱いていますか。

長いストーリーを語るという点では、このシリーズはテレビドラマに似ていたかもしれない。テレビの場合は普通、時間はあるけど予算がない。映画の場合は普通、予算はあっても2時間でストーリーを語らなきゃいけないから時間がないことが多い。しかし『バイオハザード』で最高だったのは、テレビと映画、両方の世界を味わえたこと。この作品はほかのシリーズに比べてかなり時間をかけてこだわって作った。やはり最後の作品なので力強くありたかったし、それにふさわしい有終の美を飾りたいと思ったから。今回、アリスのものすごい秘密が明かされるわけだけど、きっとそれを見て、もう一度第1作を見直したくなると思う。そうなってくれるといいなと思っている。

――奥さまのミラ・ジョヴォヴィッチと撮影をするのは楽しい?

ミラを逆さづりにして、家族の問題を全部映画セットから追いやってしまうことほど楽しいことはないよね(笑)。今回の映画では、ザラザラとした、リアルな感じを残したいと思ったし、アクションもまっすぐに、スタイリッシュに撮るということを意識した。役者にとっては肉体的にすごくつらかったと思うけど、その分すごく良いものができたと思うよ。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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