もの申す脚本家が「恋妻家宮本」に込めた思い 「家政婦のミタ」遊川和彦が映画監督デビュー

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現在公開中の『恋妻家宮本』のメイキングシーン。重松清の小説『ファミレス』を原作にした作品だ    ©2017「恋妻家宮本」製作委員会
驚異的の高視聴率を獲得した「家政婦のミタ」をはじめ、「女王の教室」「○○妻」「偽装の夫婦」「はじめまして、愛しています。」など、数々の話題作を世に放ち続ける脚本家・遊川和彦の映画監督デビュー作となる『恋妻家宮本』が全国劇場で公開されている。
子どもも巣立ち、2人きりとなった宮本夫妻の夫が、妻の隠していた離婚届を見つけてしまったことから起こる騒動を描き出した本作は、人気作家・重松清の『ファミレス』を原作に、遊川流の大胆な脚色を加えながら、おかしくもいとしい夫婦の物語を紡ぎ出している。宮本夫妻を阿部寛、天海祐希が演じるほか、菅野美穂、相武紗季、工藤阿須加、早見あかり、奥貫薫、佐藤二朗、富司純子といった実力派俳優が脇を固める。そして、吉田拓郎の名曲「今日までそして明日から」が劇中歌としてだけではなく、本作の心温まるエンディング曲としても印象的に使用されている。
このたび、自らの脚本で監督デビューを果たした遊川監督に、「正しさより優しさ」をテーマとする本作に対する思い、映画とテレビとの違いなどについて聞いた。

今まで作ってきたものは自分の糧

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――これまで数々のテレビドラマで、さまざまな夫婦像や家族像を提示してきた遊川さんだけあって、大人が楽しめるドラマでした。

もちろん今まで作ってきたものは自分の糧となっているので、そういった要素は出ていると思います。ただ、50代の夫婦の話だからといって、F2(35~49歳の女性)、F3(50歳以上の女性)に向けて作ろうとすると世界が狭くなってしまう。だから基本的には大人から子どもまで、どんな世代がみても楽しめるように作っています。たとえば今から結婚をしようとしている人がみても面白いようにしたいなと思っていました。

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