――すばらしいエピソードですね。その女性には「晩婚さん、いらっしゃい!」に登場してもらいたいです。
女性が男性に感じる「生理的直観」は正しいことが多いと私は思っています。満員電車で隣り合った異性と体が触れているとき、女性の場合は8、9割の男性に「嫌だな」と感じるでしょう。人として嫌っているわけではなく、生理的に無理なのです。逆に、「この人はなぜか触れても大丈夫」なこともあります。男性は女性に対してそんな風には感じないのではないでしょうか。
27才のOLが普通の結婚相談所などに登録したりすると、男性からのアプローチが集中することがあります。高年収だったり医者だったり。それだけで承認欲求が満たされて、自分が具体的にどういう人が好きだったのかを忘れやすくなります。自分はこういう人が好きというフックではなく、世間一般的なスペックで男性を見てしまったり……。
この人はいい、一度会って話してみたい――。女性が持っている直感をもっと研ぎ澄ます必要があります。だから、この冬にスタートした「キャリ婚」は、女性が男性にアプローチをしないとまったくマッチングしない仕組みにしました。男性から女性にはアプローチができません。
婚活市場に出てこない男性たちの「本音」
――そのかわりに男性は無料、というのも面白いですね。でも、実際のところ、男性会員は集まりますか?僕が取材していて、とにかく男性が婚活市場に出てこないのです。
1回のリリースで200人ぐらいが集まって驚きました。しかも、有名大学や大企業、高収入などいわゆるハイスペックな男性も多いのです。面談のときに「どうして来たの? 冷やかし?」と聞いたところ、彼らは彼らで悩んでいることがわかりました。
合コンなどに参加すると、専業主婦希望で「子どもは私立に入れたい」といった依存度が高い女性をアテンドされやすいそうなのです。「でも、僕は奥さんをずっと尊敬していたい。共働きがいい。社内や取引先にはそういう女性がいるけれど、できれば仕事場以外で出会いたい」などの率直な思いを聞かせてくれました。
自分は選ぶのではなく「選ばれる性」なのだと意識すると、男性は自分をバージョンアップするきっかけになります。結婚相手だけでなく、いろんな人から引き上げてもらえて、幸せな人生を送れるでしょう。
高学歴、高収入の自分は、女性を選ぶ存在なのだと思い込んでいる男性は多いのですが、それでは変われません。
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