「普通の高校生」が性犯罪の標的になっている 犯人はSNSで弱みを握り面会を強要し・・・

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まもなく冬休み。長期休暇前になると、「休み中に知らない人と会うとか、そういうことのないよう、今のうちから講演でも注意してもらえますか」と学校からお願いされることも多いのですが、残念ながら、子どもを狙う犯罪者のトップシーズンは、すでに始まっています。というか、むしろもう終了間際です。

「普通の子ども」を狙う犯罪者は、子ども達がヒマになり、親の目も届かなくなる「長期休暇」にゴールを置いているのです。だからその前の、中間試験と期末試験の間くらいが、情報を集め、メッセージのやり取りを重ね、信用を得て、チャンスをうかがう「犯罪者のトップシーズン」なんです。

まだネットは「人と知り合う」には不十分な道具

そもそも子どもと仲良くなって会いたがるような大人に、ロクな人間がいるワケありません。脅されていなくても、会えば事件につながる可能性が高いでしょう。私は講演で、子ども達にこんなふうに伝えています。

「生きていく中で人と知り合うのは自然なこと。それは実生活もネットも同じです。だからいつの日か、子どもだって『ネットで知り合った人』と実際に会える、それが当然、という日が来るかもしれません。でもまだその時代じゃないんです。

だって、実生活で知り合った人と遊びに行って、その結果、殺される確率より、ネットで知り合った人に会いに行って殺される確率の方が、今はまだ高いですからね。単純な確率の比較です。

ネットの知り合いで、死んでもいいから会いたい、なんて人いないでしょ?子どもがネットで知り合った人と会うのはまだ早い、まだそんな時代なんです」

ネットの安全教育のために、今年も全国の学校を講演して回りました(写真:グリー)

殺される、は過激な表現かもしれませんが、事件に巻き込まれるという意味では、ネットの出会いは間違いなくその確率が高いと言えます。未成年の子どもにとって、ネットはまだ人と知り合うには不十分な道具なのです。

いつの日か、ネットで知り合った人とも、実生活で安全に交流できる日がやってくるかもしれません。でも今は違う。そのことを子ども達にしっかりと伝えていきたいと思います。

小木曽 健 国際大学GLOCOM客員研究員

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おぎそ けん / Ken Ogiso

1973年生まれ、埼玉県出身。複数のITベンチャーを経て現職。書籍や講演、メディア出演などを通じて「ネットで絶対に失敗しない方法」やネットリテラシーに関する情報発信を幅広くおこなっている。これまでに企業、学校、官公庁などで2000回以上、のべ40万人に講演。著書に『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)、『ネットで勝つ情報リテラシー』『大人を黙らせるインターネットの歩き方』(筑摩書房)、監修に『13歳からの「ネットのルール」』(メイツ出版)他多数。

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