まもなく冬休み。長期休暇前になると、「休み中に知らない人と会うとか、そういうことのないよう、今のうちから講演でも注意してもらえますか」と学校からお願いされることも多いのですが、残念ながら、子どもを狙う犯罪者のトップシーズンは、すでに始まっています。というか、むしろもう終了間際です。
「普通の子ども」を狙う犯罪者は、子ども達がヒマになり、親の目も届かなくなる「長期休暇」にゴールを置いているのです。だからその前の、中間試験と期末試験の間くらいが、情報を集め、メッセージのやり取りを重ね、信用を得て、チャンスをうかがう「犯罪者のトップシーズン」なんです。
まだネットは「人と知り合う」には不十分な道具
そもそも子どもと仲良くなって会いたがるような大人に、ロクな人間がいるワケありません。脅されていなくても、会えば事件につながる可能性が高いでしょう。私は講演で、子ども達にこんなふうに伝えています。
「生きていく中で人と知り合うのは自然なこと。それは実生活もネットも同じです。だからいつの日か、子どもだって『ネットで知り合った人』と実際に会える、それが当然、という日が来るかもしれません。でもまだその時代じゃないんです。
だって、実生活で知り合った人と遊びに行って、その結果、殺される確率より、ネットで知り合った人に会いに行って殺される確率の方が、今はまだ高いですからね。単純な確率の比較です。
ネットの知り合いで、死んでもいいから会いたい、なんて人いないでしょ?子どもがネットで知り合った人と会うのはまだ早い、まだそんな時代なんです」
殺される、は過激な表現かもしれませんが、事件に巻き込まれるという意味では、ネットの出会いは間違いなくその確率が高いと言えます。未成年の子どもにとって、ネットはまだ人と知り合うには不十分な道具なのです。
いつの日か、ネットで知り合った人とも、実生活で安全に交流できる日がやってくるかもしれません。でも今は違う。そのことを子ども達にしっかりと伝えていきたいと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら