バーバリーなき三陽商会、業績不振の深刻度 今できる最大の改革が「社長退任」なのか

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昨年は店舗入れ替えの混乱などでハードルが下がっていただけに、今年はもっと上を狙えたはず。今回の説明会でも、「マッキントッシュ・ロンドン」が厳しい状況にあることを、社長就任予定の岩田氏も認めている。

「260の売り場のうち効率の上がらない店はテコ入れをする。コートに頼る冬型の商品施策になりがちだが立て直しに注力する」(岩田氏)。まず2017年春夏シーズンから一部商品で1割以上値下げに踏み切る方針だ。

EC事業を牽引してきた岩田氏。会見では「大変な重圧」と本音を語った(写真:記者撮影)

また、今後は百貨店以外の新たな販路の拡大、ECを活用したデジタル化を推進していく。岩田氏は1982年に入社後、主に経営企画畑を歩み、2008年にはウェブビジネス推進室長に就任。同社が展開するECサイト「SANYO iStore」の生みの親でもある。EC事業の売上高は40億円規模と、全体売り上げに占める比率は5%超でまだ小さいが、「会員数を増やしながら100億円、150億円とEC事業を伸ばしていきたい」(岩田氏)と言う。

来年度の黒字化も不透明

もっとも足元の業績は非常に厳しい。会社側は2016年12月期の売上高を700億円(前年比28.1%減)、68億円の大幅営業赤字を想定しているが、さらに赤字が膨らむ可能性もある。競合のアパレルメーカーのオンワードやレナウンも百貨店向けの販売は前年割れが続く中、コートなど単価の高い重衣料が売れる書き入れ時の12月にどこまで拡販できるかは不透明だ。

また来年度に関しても、今年の10月に全社員の2割に当る約250名の希望退職を実施したことから人件費負担は減るものの、売り上げの減少が止まらなければ黒字化は難航しそうだ。

2月に発表予定の新中期経営計画の策定にあたっては、現在、若手のリーダーや現場社員が中心となって推し進めているという。新体制の下で、黒字化に向けて具体的な成長戦略を描けるだろうか。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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