女たちはなぜ身体をトコトン鍛え始めたのか

それは男の目線からは切り離された

「あどけない顔」に「大人のやわらかボディ」という「幼」と「熟」のギャップに理想の女性を妄想する男たちよ。いま、女性はみずからの肉体を「市場価値」から解放しつつあることを知るべし。

インスタグラムでハッシュタグ#腹筋と入力すれば、自身の自慢の腹筋を自撮りした、たくさんの写真がヒットする。有名人がアップすれば、たちまち何万ものLikeがつきネットニュースのトップになる。SNSの普及は、自らの肉体の市場価値を解放する手段となった。

君たちにもそのうちわかるさ

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

“私の今のガールフレンドは、ボディビルダーだ。その良さは君たちにはわからないだろうが”

そんなことを20年前の、ブライアン・イーノがインタビューで語っていた。それの何が自慢なのか、うまく掴めない自慢話だった。一応イーノを知らない人のために説明すると、彼は極めて非フィジカルな領域に属する音楽家である。知識偏重型でリベラル派、当然のことだが身体なんてちっとも鍛えてない。そんなイーノは、言外に“君たちにもそのうちわかるさ”的なニュアンスを漂わせて、身体を鍛えているガールフレンドの自慢をしていたのだ。

なるほど、彼が予言した時代がいまようやく来ているようだ。モデルや芸能人たちは、トレーニングジムに通って鍛え上げた姿をインスタグラムで披露するようになっている。「シックスパック」は、すでに女性には不似合いな過剰な筋肉の付き方ではない。むしろ当たり前にめざすべきものになった。

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