「何に時間を使うか」こそ、最重要の問いだ 本質に基づいたマネジメント論の可能性
本質に基づいたマネジメント論は、ビジネスはもちろんのこと、人間関係やセルフマネジメントなど、様々な分野に応用可能な汎用性の高いものになる可能性があります(上図)。しかし残念ながら、前述のように、世の中にはそれを学ぶ「場」がありません。
存在しないのであれば、自分で作ってしまうしかない。そういう思いで、2017年1月からオンラインサロン「エッセンシャル・マネジメント・スクール」を立ち上げることになりました。
当初はオンラインサロンの形式をとりますが、リアルゼミ(研究論文指導、読書会)や研究会などと紐付けることで、「本質(essential)」に基づいた「マネジメント(management)」の学を打ち立てたいと考えています。
「おカネ」と「時間」、どっちが大切?
なぜ、本質が大切なのか。少し、日常的な話題から考えてみましょう。
最近、お金をどう稼ぐかということよりも、時間をどう使うかということを、より重要な課題として捉える人が増えているような気がします。個人的な感覚もありますが、様々な分野の第一線で活躍する方々にお会いすると口を揃えてそうおっしゃることを見ると、時代の空気は確実に、その方向に移ってきています。
人生を農業に例えるなら、お金をたくさん稼ぐことは、より多くの土地を広げることに似ています。確かに、土地を広くすれば、その分たくさんの作物を得る可能性は広がります。でも、土地をいくら広げても、最終的に問われるのは、その土地で何をするのかということです。たとえば、人を育てたり、畑を作って作物を育てるためには、「時間」が必要です。お金を稼ぐ(畑を広げる)ためだけに時間を使い、肝心のやりたいことをする時間がなくなってしまっては本末転倒です。
そして重要なことは「時間を増やすことはできない」ということです。お金は働いたり、投資したりすることで増やすことができるけれど、時間は増やすことができない。というのも、私たちには寿命があるからです。もちろん、健康に気を遣うことで、健康で過ごせる時間を増やしていくことはできますが、基本的には病気や事故を避けていかに短くならないようにするか、という消極的な対処しか対応できません。どんなに優れていようとも健康であろうとも医学が進歩しようとも、記録に残る限り130歳まで生きた人は一人もいないように、時間というのは、少なくとも寿命を持つ私たちにとっては、絶対的に有限なものです。
そうすると、問われるのは「僕らは何に時間を使えばいいのか」ということです。
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