メルカリがマネるGoogle採用の極意とは? 人事担当取締役・小泉文明氏に聞く<中編>

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それに、勉強会やミートアップはメディアに取り上げられることも多いので、そうして露出されることによって、外部へのアピールのみならず社内報というか、社内のメンバーに対する広報にもつながり、一石三鳥という面もあります。

そんなわけで、メルカリでは社員が自分の仕事を外部で話すことを推奨していますし、そもそも、人事側でそうした場をセッティングしたりもしています。そうやって、ゆるいファンをたくさんつくっていくことをずっとやっています。

――地道な活動に力を入れているのですね。

そうですね。そもそも、優秀な人というのは、いま所属している会社で忙しく充実しているので、転職意欲も高くない。でも、そういう人たちは知的好奇心が非常に旺盛なので、たとえば、「メルカリってどういう戦略でやっているんだろう?」といったことがわかる勉強会なら来てくれる。

そういう機会に初めて、メルカリは中途採用もやっているんだ、といったことも知ってもらえる。こういう出会いのきっかけをたくさんつくっていくのが大事だと思います。

リファラル採用がうまくいかない理由

――そういった活動がリファラル採用につながっていると。

小泉 文明(こいずみ ふみあき)/メルカリ人事担当取締役。早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2007年よりミクシィにジョインし、取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄する。2012年に退任後はいくつかのスタートアップを支援し、2013年12月株式会社メルカリに参画。2014年3月取締役就任

僭越ですが、メルカリのリファラル採用は、他社さんがまねしたいけれどなかなかうまくいかないことの最たるものかなと思っています。ですが、じゃあ僕らが最初からうまくリファラル採用をできていたかというと、そんなことはない。ここに至るまでには、やはりフェーズがありました。

フェーズ1は、経営陣です。経営陣が、前職の部下だったりカウンターパートだったり、近くにいた人の中で優秀な人を口説く。こうした活動をやっていく過程で、社員の中にリファラルで採用された人たちが増えはじめるのです。

そうして、リファラルで採用された人たちは、誘われた自分の経験を元に、どうやって相手を誘っていいかがわかる。そうやって、今度は一般社員が動き出す。これがフェーズ2です。たとえば、「新卒の同期だったあいつが最近腐っているから誘ってみよう」という感じですね。フェーズ2にくると、採用にボリューム感が出てきます。

僕たちが見ているかぎりでは、多くの企業は、最初からフェーズ2をやろうとする。でもそれだと、社員にリファラル採用の経験がないので、なかなかうまくいかないのです。

加えてメルカリは、先述のとおり、さまざまな部署の人間が勉強会に出たり、インタビューに応じたり、オウンドメディアをつくることで、社員が候補者を誘いやすくなる材料をたくさんつくってきました。これが、リファラル採用を完成形に近づけていく流れかなと思います。

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