――「荒波乗り越えて」というような歌詞に込めた思いもあったのでは。
そうです。これは俺が脚本を作っている時に、プロデューサーにいじめられた時のつらい心情を歌った歌です(笑)。あきらめるなと。でも、(旧海軍備蓄タンクの底から石油をくみ上げるという危険な任務についていた)タンク班の若い衆を演じたキャストたちが、撮影の打ち上げの時に社歌を歌い始めたんですよ。あれは感動的でしたね。
――社歌が再び注目されてきているという話もあります。
僕に社歌の歌詞をオーダーしてもらえれば、泥臭いの作りますよ(笑)。やはり校歌や社歌って泥臭さがないとダメなんですよ。そこが難しかったですね。
社歌のオーダーがくるといいな
――最初は誰かに頼む案もあった。
はい。最初に社歌を作りたいとなった時に、作曲は音楽の佐藤(直紀)さんがやってくれるとして、作詞は具体的に誰に頼めばいいんだろうとなったんです。校歌を作っている方にお願いするなどの検討をしたのですが、この社歌は重要な要素。誰かにに頼んだとしても、きれいな言葉で綴られた社歌になるような気がして。
なんとなく漁師が歌っていたようなものを作りたかったんです。そうすると、これは意外にフェイクとして作るのは難しいなという話になり。ならば自分たちで書いてしまった方がいいという話になった。だから泥臭いですよ。社歌のオーダーがくるといいな。
――でもいい曲でした。
労働歌ですからね。歌うとすごく気持ちいいんです。聞くよりも、歌う方がより気持ちいいという、不思議な歌ですよね。ただスタッフからは、作詞をして印税狙いでしょと言われてしまうんですよ。ただもし今後、印税のようなものが入るとしたら、スタッフに還元すると言ってあります。
――カラオケやサウンドトラックにも収録されるという話もあるそうですが。
どうなるか分からないですが。でもこの社歌はスタッフのものです。
――経済歴史小説をまたやってみたいと思いますか。
内容次第ですよね、でもそこには冒険があるじゃないですか。元になる話が面白ければまたやると思います。歴史の闇に葬られたであろう事実を描き出した作品などもやってみたいですね。
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