1997年、当時無名だった作家J・K・ローリングが執筆した『ハリー・ポッターと賢者の石』。7冊のベストセラーと全8作の大ヒット映画により、世界中でポッタリアンと呼ばれる熱狂的なファンを獲得した人気シリーズである。そんな「ハリー・ポッター」第1巻の刊行から20年、J・K・ローリング自らが脚本を手がけるハリー・ポッターの新シリーズ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(略称:ファンタビ)が11月23日から日本で公開されている。世界的にも大ヒットを記録し、全国の映画動員数ランキングでも初登場ナンバーワン、公開5日間で興行収入17億円以上を記録している。
そこで今回は、「ハリー・ポッター」シリーズと新シリーズすべてを手がけているプロデューサーのデイビッド・ヘイマンに、同シリーズがなぜこれほどに愛されるのか、そのヒットの秘訣について聞いた。
自分が感動したストーリーを探しただけ
――『ゼロ・グラビティ』や『ハリー・ポッター』シリーズなど、数々のヒット作を手がけるヘイマンさんですが、ヒットの秘訣を聞きたい人も多いのではないでしょうか。
それは僕も聞きたいくらいだよ(笑)。でも、僕が今まで作った映画を振り返ってみると、自分の内面にあるものを表に出した結果だと言える。つまりそれは自分が感動し、自分が共感できるストーリーはどこにあるのかを探し出すこと。特に「ハリー・ポッター」シリーズには自分が共感できる要素がたくさんある。この作品にはいろいろな魔法やビーストが登場するから、とても楽しく映画を観ることができる。と、同時にわれわれが住んでいる世界がまるで鏡のように投影されている世界だとも思う。
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