iPhoneの「天気アプリ」はなぜ当たりにくい? アプリによって予報が違うのにはワケがある
では、iPhoneに標準装備されている天気予報アプリの場合はどうでしょうか。まず、この天気予報アプリの情報元は、ウェザーチャンネルという会社のデータです。同社は米国の気象会社なので、日本の天気予報に関しては、気象予報士が自ら数値予報から地形を考慮した修正を行っていない可能性があります。そうであれば、実際の天気とは違った値がでやすいのも不思議ではありません。これについてアップルジャパンに問い合わせましたが、残念ながらお答えはありませんでした。
もっとも、ウェザーチャンネル自体は、米国の数ある気象会社の中で高い的中率を誇る会社のようです。ですから、米国でiPhoneの標準装備アプリを使う分には、さほど不便を感じることはないのかもしれません。また、観測網が乏しく、天気予報の技術が途上の国でも、iPhone標準装備の天気予報アプリは役に立つことでしょう。
予報精度の高いアプリは?
しかし、日本は天気予報の先進国です。気象庁や民間気象会社による、的中率の高い無料天気予報アプリがたくさんあり、天気予報の地点もきめ細やかです。アプリによっては桜の開花や花粉、紫外線情報など生活にも役立つ情報もチェックできます。せっかく恵まれた環境にいるのですから、できれば新たにアプリをインストールして活用してほしいと思います。
それでは、おすすめの天気予報アプリはいったい何なのでしょうか。日本の気象会社の中で、大手といえばウェザーニューズと日本気象協会です。少なくとも、このふたつの会社が提供している天気予報なら信頼できます。私自身も、ウェザーニューズの提供する「ウェザーニュースタッチ」と、日本気象協会の提供する「tenki.jp」はどちらもインストールして、毎日チェックしています。
では、具体的に、当たりやすい天気予報を出すために、どのような工夫をしているのでしょうか。実際にウェザーニューズに聞いたところ、「弊社のスローガンは『みんなで作る天気予報』です」という回答をもらいました。これはどういう意味でしょうか。
気象庁が出す数値予報は、地上の観測地点は、全国約1300カ所のアメダスと呼ばれる無人の観測システムのデータが元になっています(予報を出すには、船舶や高層気象観測、気象衛星からの観測データも使います)。しかし、ウェザーニューズにはこれとは別に3000カ所の独自の観測インフラがあります。さらに、ウェザーニューズと契約しているクライアントや、一般ユーザーが設置している観測機もあり、そちらは合計約4万カ所です。
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