学生と社会人の「コミュ力」、3つの決定的違い 背景も価値観も異なる人と、つながるために
最後に「3. 要求を含むコミュニケーション」。
学生同士のコミュニケーションは相手に対する要求を含まずとも良い。要するに、人間関係を円滑にしさえすれば良いのである。
しかし、社会人のコミュニケーションはそれだけでは足りない。それは「相手に何らかの行動を起こしてもらうこと」を暗黙的に含む。
・すぐに取りかかってほしい
・状況を報告してほしい
そういった要求を常に含むのが、社会人のコミュニケーションである。
上司に寛容になることが必須
では、具体的にどのようなスキルにより、「社会人のコミュニケーション」が構成されるのか。
礼儀
中国の思想家、孔子は「礼」を「相手へのおもいやりを形にしたもの」と定義した。思いやりは形にしなければ、相手にわからない。したがって、コミュニケーションの前提として相手への気遣いを形にした「礼」が必要である。
情報提供
上司とのコミュニケーションをうまく図るには、「情報提供者」という役割を負うことがもっとも効果的である。意思決定するのは上司の役割であるが、そのためには持っている情報を効果的に伝える必要がある。
寛容
組織のなかでうまくやれるかどうかは、上司にどれだけ寛容になれるかにかかっていると言っても過言ではない。上司も人間的な弱さを持っているし、間違いを犯すこともある。そういった上司を批判するのは簡単だが、批判はコミュニケーションをとりづらくする。反対に、それらを許す寛容さはコミュニケーションの要となる。
共通言語
会話は、相手が理解できる言葉を慎重に選択する必要がある。言葉の意味だけではなく、言葉が想起させるバックグラウンドも含めた、相手との共有度がコミュニケーションの質を決める。
とくに報告書や提案書などの言葉は、慎重に慎重を重ねて吟味すること。何気なく使った言葉が誤解を招いてはせっかくの良い内容も台なしである。1つの意味しか持たない言葉を使うなどの工夫をせよ。
質問
受け手が欲している情報が何かを知らなければ、効果的なコミュニケーションは望むべくもない。相手は自分の聞きたいことしか聞こえないのである。だが、相手が欲している情報を正確に予想するのは非常に困難だ。
それゆえ、どのような情報を欲しているかを常に相手に確認しながらコミュニケーションをとらなくてはならない。「自分が発信する前に聴く」を合言葉とせよ。
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