アップル「ゲームアプリで社会貢献」の全内幕 iPhone画面が真っ赤に染まる?
アップルは、App Storeを、社会的にインパクトを与える場として利用するようになった。今回のREDキャンペーンでも、App Storeを赤いテーマカラーにしたうえで、賛同するアプリ開発者を募り、アプリアイコンを赤くしたり、専用の機能を追加するといった活動を取りまとめていく。
普段見ているスマートフォンのホーム画面に、こうしたキャンペーン色が増えることで、人々が広告などを目にしなくても、キャンペーンが始まったことが伝わり、興味を引くことになる。モバイル時代における非常に有効な方法と言える。
また、アップルは、特に活発な活動を見せているモバイルゲームにおいて、「#GamesForRED」と題したキャンペーンを展開する。賛同するのは、EA(FIFA、SimCity BuildIt)、Rovio(アングリーバードシリーズ)、Zynga(CSR Racing 2、Farmville)などの人気のあるゲームスタジオだ。
12月1日から6日までの期間中、各ゲームアプリでは、REDキャンペーンに合わせた特別なアイテムやキャラクターなどを配信する。価格は2.99ドルから19.99ドルとさまざまで、これらの売り上げは100%、前述のグローバルファンドに寄付される。
たとえば、自分の街を作り上げるSimCity BuildItでは、自分の街に赤い専用マークが入った公園を購入し、配置することができる。また、自動車会社と組んで実現するリアルな車のデザインに定評があるZyngaのレースゲームCSR Racing 2では、19.99ドルでブガッティ・シロンを手に入れることができる。
もちろんこのシロンはREDキャンペーンに合わせ、赤いボディと内装を施してあるが、これはZyngaがブガッティと交渉し、ブガッティのデザイナーが特別に起こした、世界に存在しない1台だという。
各開発者に話を聞くと、社内のクリエーターを含め、非常に楽しんでキャンペーンに参加している様子が伝わってくる。また顧客からの反応も良好であり、デジタルキャンペーンの新しい形として定着しつつある様子がうかがえる。
ゲーム層の拡大と、SNSの活用
モバイルゲームでのチャリティキャンペーンの展開は、ゲームの多様化で、より大きな広がりを見せるようになった。たとえば、Rovioの人気ゲームアングリーバードは映画にもなり、スマートフォンゲームの代名詞ともなったが、彼らがリリースしたAngry Birds POPは、メインタイトルと比べて、女性のユーザー比率が高いという。また、Pocket GemsがリリースするストーリーテラーアプリEpisodeは、若い女性に人気がある。
ゲーム層の拡大を主導するタイトルでのREDキャンペーンの展開は、より幅広い層への浸透を狙うことができ、2016年のApp StoreでのREDキャンペーンの新しいトピック、と位置づけることができる。
加えて、ソーシャルメディアでの共有を生かしたタイトルでの工夫もある。
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