アップル「ゲームアプリで社会貢献」の全内幕 iPhone画面が真っ赤に染まる?

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REDによると、設立前の2005年には、毎日1200人の新生児がHIVに感染して生まれてきていたという。しかし今日、400人にまで減少し、そのインパクトをアピールする。すでに1820万人がグローバルファンドによって治療を受けており、活動の目標はこの数字が0になることだが、2020年までに達成できるとの見通しだ。

REDのチーフデジタルストラテジスト、チラジ・フィラリティ氏は、アップルとの活動について「非常に大きな成功を収めた、設立当初からは想像しがたい10年だった」と振り返る。そのうえでフィラリティ氏は、次のように語った。

「HIVを母親から受け継いだ赤ちゃんは、11カ月のときに治療を受けることができたおかげで、2カ月で健康体へと回復し、5歳になる現在も元気に暮らしている。1日30セントの薬がまだまだ届いていない地域がある。2030年にエイズを終わらせるための、ひとつずつのアクションに取り組んでいる」

アップルはこれまで、iPodシリーズや、iPhone/iPadケース、Apple Watchバンドに真っ赤な(PRODUCT)REDモデルを用意し、このモデルの売り上げの一部をREDのグローバルファンドに寄付してきた。

アップルのみで1億2000万ドル以上をファンドに寄付する最大のパートナーとなっており、アップルとREDの取り組みは、前述のフィラリティ氏が指摘するとおり、非常に成功したキャンペーンとして位置づけることができる。

iPhone7向けバッテリーケースが追加

iPhone 7向けのバッテリーケース「Smart Battery Case」

今回のキャンペーンでは、iPhone 7向けのバッテリーケース「Smart Battery Case」と、iPhone SE向けのレザーケースに(PRODUCT)REDモデルを追加する。また、アップル傘下のBeats製品にも、ワイヤレスヘッドフォン「Solo 3 Wireless」とワイヤレススピーカー「Pill+」に、赤い専用モデルが用意される。

さらに2016年のキャンペーンでは、Apple.comやアップル小売店、Apple StoreアプリでのApple Pay経由の購買ごとに1ドル、最大100万ドルまでをグローバルファンドに寄付することを明らかにした。この取り組みには、バンクオブアメリカも参加し、Apple Payで利用されたカード決済から最大100万ドルを寄付する。

アップルの国際エイズデーに関するキャンペーンに変化があったのは2014年だった。それまでの赤い製品だけでなく、App Storeでの課金からも、売り上げの100%を寄付する取り組みをスタートさせた。

おそらく、12月1日にアプリをアップデートすると、あるいは自動アップデートを有効にしている人は朝起きたら自然に、いつもおなじみのホーム画面が真っ赤になっているかもしれない。

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