「とりあえず大学に進学」でもいいじゃないか 将来の選択肢を過度に絞る必要はない

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大学とは勉強をしに行く場というのが一般的な認識ですが、私は大いに悩んで、視野を広げるための場所であると考えています。大学や大学生とは漠然と勉強をするのではなく、自分自身の興味の方向性を探るべく試行錯誤を繰り返して何かに熱中するべき場所と年齢なのでしょう。そしてその中から将来の興味の対象を見つければよいのです。

もちろん最初から興味の対象が定まっていれば特定の学部に進めばよいわけですが、現時点で方向性が定まっていないのであれば、できるだけ多くの分野を学べる学部を選ぶべきです。

何も最初から、自分にとっての選択肢を狭める必要はないのです。何を隠そう、私自身も高校生のときにそもそも何をしたいのかはおろか、世の中にどんな職業があるのかすら知りませんでした。したがって、自分にとっての興味の方向性を探るべく、経済学部や法学部といった特定分野に注力する学部ではなく、国際学部という聞こえはよいものの、要は「何でも学部」のような学部を選んだのです。

文学、経済、経営に始まり芸術から政治など、それは何でもありの学部でしたので、私のような迷える子羊にとっては都合のよい学部だったからです。いろいろな分野を片っ端から勉強して、触れてみて、何か違うと思ったら辞めればいいのです。それができるのが大学生の特権です。

ちなみに私はそれに飽き足らず、外部で行われている社会人向けのいろいろな分野のセミナーに参加したり、予備校の説明会や授業に参加してみたりと、意図的に幅広い分野に自分自身をとりあえず置いてみる、という実験を行ってみました。

大学は、大いに悩むべき場所

なぜって、やってみないとそもそも興味あるかどうかなんて絶対にわかりませんし、大学って大いに悩むべき場所だと思うんですね。ただ、誰にとってもそういった環境がいいかというとそうではありません。そのような何でもありの環境では、よほど自分自身が「自分の興味の対象を見つけるぞ」という気概を持っていないと、単純に広く浅くで終わってしまい、結局、何の特徴もない人に成り下がってしまう危険性があるのです。

だからこそ、漠然と勉強をするというスタンスではなく、積極的に探す姿勢が大切なのです。

もちろん勉強だけではありません。仕事関係ではインターンシップへの参加やアルバイトなど、高校生よりも大学生のほうができることが増えますから、そういったチャンスをフルに活用して、大学生の間の4年間を自分のやりたいことをアクティブに探す期間と位置づけてはいかがでしょうか。

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