2分でわかる!「試験英語への洗脳度」テスト なぜ「日本の英語教育」では話せないのか
いかがでしょうか。多くの方は、単語がわからず、まったく言葉が出てこなかったのではないでしょうか。英語をかなり一生懸命学んだ人なら単語はわかるかもしれまんせんが、そういう方は、「正しい単語」をどのように並べるかを考えたはずです。
そうだとすれば、あなたはかなり「洗脳」が進んでしまっています。単語がわからなければ何も言えない。単語がわかったらそれをどう並べるかを考える。これこそが「試験英語の洗脳」なのです。
学校の試験でも、入学試験でも、社会人になって受けるTOEIC(Listening and Reading)でも、多くの試験は「単語選び」が基本です。空欄補充はもちろん、英作文にしても、一言一句正しい単語を並べていかないと、減点されてしまいます。
ですが、英語の実践は違います。次の言い方を見てください。
We discussed a report.(報告書の話をしましたね。)
About when will you complete it?(いつ頃仕上がりますか。)
これで、十分に意図が伝わっていることを確認してください。
この言い方には、「当社の第3クオーターの決済」という単語がありません。これが英作文の試験であれば、そのものズバリの単語を正確に答える必要があるので、減点は避けられないでしょう。しかし、現実の世界では「通じること」が最優先です。上記の連続文はその目的を軽やかに達成しています。
一文は短くてかまわない
一言一句を正確に訳さなければと考えるのは、学校の試験でさんざんやらされた「和文英訳」の弊害です。このようなかみ砕いた連続文を使えば、そのものズバリの単語がわからなくても大丈夫です。
ただし、連続文といっても、無関係なことを言い連ねては意味がありません。文の「つながり=流れ」が重要です。上記の例では、「会議→報告書(決済)→仕上がり」という流れがあります。
この「つながり」は、それほど難しく考える必要はありません。前の文に「何かを引っ掛けて」話してみてください。「結論→理由」「理由→証拠(補足情報)」といった因果関係を織り込むことができれば、さらに説得力が増します。
一方、一つひとつの「文の長さ」は短くてかまいません。不思議なことに、日本の試験英語は「長くて構造が複雑な英文を読解すること」に重点が置かれています。日本で「ビジネス英語」を商売としている人たちの多くも、難解で長い文を話すことを推奨しているようです。それが「エリート」にふさわしい英語というわけです。
本物のエリートが使う英語は違います。特に、英語コミュニケーションが上手と言われる国際派ビジネスパーソンは、どんな案件でも、どんなにめまぐるしく変わる状況におかれても、シンプルな文で自分の考えを的確に伝えることができます。
ここでも、「試験英語の常識」と世界の現実とのズレは顕著です。アメリカでは、金融関係の契約書や決算報告書といったバリバリのビジネス文書ですら、短い文章を「平易な英語で(in plain English)」書くことが求められています。そうしないと、読む人が理解できない(ことがある)からです。つまり、短い文で表現することは決して「ひんしゅくを買う行為」ではなく、むしろ透明性の高い「効率的でビジネスライクなコミュニケーション」なのです。
できる人は、シンプルな文で自分の考えをかみ砕いて伝えることによって、自由自在に国際舞台を闊歩しています。
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